テリパラチドによる骨形成
2014年10月掲載
薬剤 | テリパラチドホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) |
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副作用 | 骨形成 |
概要 | 51歳、女性。皮膚筋炎に間質性肺炎合併の既往があり、プレドニゾロン投与にて加療中。また、骨粗鬆症に対してビスホスホネートが投与されている。腰痛を主訴に当科受診。圧迫骨折を認めたため、ビスホスホネートを中止し、テリパラチドの投与を開始した。その後、慢性呼吸不全の悪化にて呼吸器内科に入院した。入院後、股関節から大腿にかけての疼痛を訴えるようになった。MRI検査では脊柱管内を占拠する病変を認め、CT検査では脊柱管内右寄りに骨性の病変を認めた。過去のCTを経時的に確認したところ、テリパラチド投与との関連が疑われ、投与4か月後まで病巣は拡大したが、その後の増大は認めていない。 |
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近年ビスホスホネートで効果が得られない重度の骨粗鬆症に対して、ヒト副甲状腺ホルモン製剤であるテリパラチドを投与する機会が増えている。本症例では、ステロイド性骨粗鬆症および多発性圧迫骨折に対して、テリパラチドの投与を開始したところ、脊柱管内に骨形成を生じた。椎体骨折が癒合していない状態で投与したことにより過剰な仮骨が形成されたと考えられた。テリパラチドには骨形成を促進する作用があり、椎体骨折症例への投与には注意が必要である。
- 著者(発表者)
- 上原健治ほか
- 所属施設名
- 金沢市立病院整形外科
- 表題(演題)
- テリパラチド投与後脊柱管内に骨形成を生じた1例
- 雑誌名(学会名)
- 中部日本整形外科災害外科学会雑誌 57(3) 471-472 (2014.5)
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