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ペグインターフェロンによるバセドウ病

2014年9月掲載

薬剤 ペグインターフェロン生物学的製剤
副作用 バセドウ病
概要 52歳、女性。C型慢性肝炎に対してペグインターフェロンα-2b+リバビリン併用療法を開始した。治療開始から12週間後にはHCV-RNAは陰性化し、24週で治療終了とした。インターフェロン開始前の甲状腺機能はFree-T4が1.1ng/mL、TSが1.21µIU/mLと正常であった。その後、下腿に痛み、浮腫が出現した。採血でFree-T4は15.2pg/mL、TSH<0.01µIU/mLと甲状腺機能亢進を認めた。また、診察上も甲状腺の腫大を認めた。メルカゾールの内服を開始したが、気分不良を認めたため、プロパジールに変更した。TSH受容体抗体は29IU/Lと上昇が認められたため、バセドウ病と考えられた。内服加療開始後は下肢の痛みや浮腫は次第に軽快した。

監修者コメント

本症例では、C型慢性肝炎に対してペグインターフェロンα-2b+リバビリン併用療法を施行したところ、甲状腺機能の亢進、甲状腺の腫大などを認め、バセドウ病と診断された。インターフェロン治療の合併症として甲状腺機能低下症や無痛性甲状腺炎なども報告されている。稀ではあるが、バセドウ病も発症する可能性があることを念頭に置く必要がある。

著者(発表者)
寺澤裕之ほか
所属施設名
三豊総合病院消化器科
表題(演題)
C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン併用療法後にバセドウ病を発症した1例
雑誌名(学会名)
第101回 日本消化器病学会四国支部例会、第112回 日本消化器内視鏡学会四国支部例会 合同プログラム・抄録集 52 (2014)
第101回 日本消化器病学会四国支部例会、第112回 日本消化器内視鏡学会四国支部例会 (2014.6.14-15)

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