FEC100による細菌性髄膜炎
2014年9月掲載
薬剤 | フルオロウラシル腫瘍用薬 エピルビシン塩酸塩腫瘍用薬 シクロホスファミド水和物腫瘍用薬 |
---|---|
副作用 | 細菌性髄膜炎 |
概要 | 76歳、女性。右乳房腫瘤と皮膚潰瘍を自覚し、当院を受診した。進行乳癌T4bN2M1(lung)、StageIVと診断し、化学療法FEC100(フルオロウラシル、エピルビシン塩酸塩、シクロホスファミド水和物)を施行したところ、12日後に発熱性好中球減少症の診断で当科に入院となった。翌日に項部強直が出現し、髄液検査で細菌性髄膜炎と診断された。細菌性髄膜炎の診療ガイドラインに沿って、デキサメサゾン、バンコマイシン、アンピシリン、セフォタキシム、ボリコナゾールの投与を行い軽快。24日後に退院した。 |
---|
悪性腫瘍に対する化学療法後の髄膜炎は有害事象として報告はあるものの、その頻度は少ない。本症例では、進行乳癌に対して化学療法FEC100を施行したところ、細菌性髄膜炎を発症した。化学療法に伴う細菌性髄膜炎は稀であるが、発症した際には重篤な経過をたどることもある。本症例のように起因菌の同定を待たずに早期に適切な治療を行うことが重要である。
- 著者(発表者)
- 柴田健一ほか
- 所属施設名
- 山形大学医学部消化器・乳腺甲状腺・一般外科学
- 表題(演題)
- 化学療法後に細菌性髄膜炎を発症した進行乳癌の1例
- 雑誌名(学会名)
- 癌と化学療法 41(6) 769-771 (2014.6)
監修者コメント