インフルエンザワクチンによる血管浮腫
2014年8月掲載
薬剤 | インフルエンザワクチン生物学的製剤 |
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副作用 | 血管浮腫 |
概要 | 52歳、女性。近医でインフルエンザワクチンの接種を受けた。接種5~6時間後から発熱、体幹・四肢に紅色の皮疹が出現し、近医で加療されたが改善しないため、接種6日後に当院に入院した。ステロイド外用剤や抗ヒスタミン剤で解熱し、皮疹も消褪傾向を示したが、体重増加、浮腫、好酸球増多が遅れて出現し、増悪した。接種2週間前後をピークに体重増加、浮腫は徐々に改善し、末梢血好酸球数も減少に転じた。2ヵ月後に末梢血好酸球数はベースラインに復した。 |
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本症例では、インフルエンザワクチン接種後に発熱、皮疹、体重増加、浮腫、好酸球増多などを認め、好酸球性血管浮腫が疑われた。インフルエンザワクチンの副反応の大部分は、局所の腫脹や発赤などの非常に軽いものである。本症例のように副反応として好酸球性血管浮腫を認めた症例は非常に稀であるが、インフルエンザワクチンの接種に際しては本合併症も念頭に置く必要がある。
- 著者(発表者)
- 林正周ほか
- 所属施設名
- 新潟大学大学院医歯学総合研究科内部環境医学講座(第二内科)ほか
- 表題(演題)
- インフルエンザワクチン接種後に好酸球性血管浮腫を来した1例
- 雑誌名(学会名)
- 日本化学療法学会雑誌 62(S-A) 328 (2014.5)
第62回 日本化学療法学会総会、第88回 日本感染症学会学術講演会 (2014.6.18-20)
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