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潤腸湯による肺障害

2023年7月掲載

薬剤 潤腸湯漢方製剤
副作用 肺障害
概要 70歳代、女性。2週間前からの労作時呼吸困難感、咳を主訴に近医を受診し、胸部異常影を指摘され、当科紹介受診。胸部CTで両側散在性のすりガラス影、subpleural curvilinear shadowを認めた。症状発症の2週間程前から便秘に対して潤腸湯の服用があり関与を疑った。肺機能検査ではVC、DLCOの低下を認めた。気管支鏡検査ではBALF中のリンパ球は28%と上昇し、TBLBではポリープ状のfibroblastic noduleを認め、器質化肺炎様の所見であった。潤腸湯に対するDLSTは陽性で、薬剤の中止により症状、肺陰影の改善を得られ、薬剤性肺障害と診断した。

監修者コメント

潤腸湯は便秘症に対して用いられる漢方薬である。本症例は潤腸湯の内服により薬剤性肺障害をきたした稀な1例である。本薬剤の添付文書にも重大な副作用として間質性肺炎が記載されている。投与中に呼吸器症状などを認めた際には、薬剤性肺障害も考慮し、投与の中止を検討すべきである。

著者(発表者)
上田健太郎ほか
所属施設名
大垣市民病院呼吸器内科
表題(演題)
潤腸湯による薬剤性肺障害の一例
雑誌名(学会名)
第139回日本結核・非結核性抗酸菌症学会東海支部学会/第121回日本呼吸器学会東海地方会/第24回日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会中部支部会(プログラム・抄録集)(Web) (2-05) (2022)
第139回 日本結核・非結核性抗酸菌症学会東海支部学会 第121回 日本呼吸器学会東海地方会 第24回 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会中部支部会 (2022.5.21-22)

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