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オキシコドンによる眠気増強、ミオクローヌス

2022年12月掲載

薬剤 オキシコドンアルカロイド系麻薬(天然麻薬)
副作用 眠気増強、ミオクローヌス
概要 40歳代、男性。直腸癌、腹膜播種による小腸イレウスのため当院緩和ケア病棟に入院。両側水腎症を呈しており右腎は萎縮していたが、Creは1.04mg/dLであった。入院後、オキシコドン注9mg/日で疼痛コントロールを開始し疼痛コントロール良好であったが第20病日から眠気の増強を訴え第22病日よりミオクローヌスを認めた。第23病日のCreは6.0mg/dLと上昇しており、同日、腎瘻造設術を施行、腎機能は速やかに改善しそれに伴いミオクローヌスも軽減、第27病日にはミオクローヌスは消失した。

監修者コメント

オキシコドンは癌性疼痛に対する鎮痛を目的に広く使用されているオピオイドである。本文献では、両側水腎症を合併した直腸癌患者に対してオキシコドンを投与したところ、不随意運動であるミオクローヌスを発症した1例を報告している。腎機能障害を有する患者にモルヒネやヒドロモルフォンを投与すると、代謝物であるM3GやH3Gが蓄積し、ミオクローヌスや神経毒性を発症することは知られているが、オキシコドンについてはこれまでに報告がなく、貴重な症例といえる。

著者(発表者)
佐藤到ほか
所属施設名
上尾中央総合病院
表題(演題)
腎後性腎不全が契機となりオキシコドンによるミオクローヌスを発症した直腸癌の一例
雑誌名(学会名)
第27回日本緩和医療学会学術大会(プログラム・抄録集)(Web) P24-12 (2022)
第27回 日本緩和医療学会学術大会(2022.7.1-2)

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