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柴胡加竜骨牡蠣湯による肺炎

2022年9月掲載

薬剤 柴胡加竜骨牡蠣湯漢方製剤
副作用 肺炎
概要 87歳、女性。急性呼吸不全にて救急搬送された。胸部画像にて両肺に小葉間隔壁肥厚を伴うすりガラス陰影を呈し、P/F比は200以下であり、ARDSの状態であった。1ヵ月前から開始された柴胡加竜骨牡蠣湯を中止したところ、ステロイド投与せずに呼吸状態は改善し、第9病日に退院した。

監修者コメント

柴胡加竜骨牡蠣湯は、高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)や神経症などの治療に用いられている漢方薬である。本症例は、柴胡加竜骨牡蠣湯の内服により急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症した稀な1例である。添付文書にも重大な副作用として、間質性肺炎が記載されている。一般的に漢方薬は副作用が少ないと考えられているが、本症例の様に重篤な副作用を発症することもあるため、注意が必要である。

著者(発表者)
里永賢郎ほか
所属施設名
大分県立病院呼吸器内科
表題(演題)
柴胡加竜骨牡蠣湯の関与が疑われた薬剤性肺炎の1例
雑誌名(学会名)
第4回日本アレルギー学会九州・沖縄支部地方会プログラム・抄録集 16 (2022)
第4回 日本アレルギー学会九州・沖縄支部地方会(2022.3.5)

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