デュピルマブによる脱毛症
2022年4月掲載
薬剤 | デュピルマブアレルギー用薬 |
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副作用 | 脱毛症 |
概要 | 31歳、男性。円形脱毛症の既往はなし。幼少期よりアトピー性皮膚炎があり、肘窩膝窩を中心に湿疹を繰り返していた。高校生頃より皮疹は全身に拡大した。ステロイド忌避があり、漢方治療を中心に加療されるも難治であった。X-7年、脱ステロイド治療目的で他院に3ヵ月間入院し、一時的に症状は改善したが、退院後すぐに悪化した。その後は保湿剤のみで経過を見ていたが、皮膚症状のコントロールは不良で、日常生活に支障をきたすために、X-3年、前医皮膚科を受診した。ステロイド外用薬の使用を勧められ、しばらく加療されるも皮膚症状は増悪軽快を繰り返し、X-2年6月当科初診。初診時、顔面のびまん性紅斑と全身の皮膚の著明な苔癬化認めた。ステロイド外用指導により外用強化を試みたが、皮膚症状は増悪軽快を繰り返し、X年3月デュピルマブ導入となった。導入約12週後に頭頂部を中心とした脱毛斑を認め、デュピルマブによる脱毛症と診断した。皮膚症状はほぼ消失しており、患者はデュピルマブの継続を希望した。現在、クロベタゾールプロピオン酸エステル外用にて経過観察中である。 |
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デュピルマブはヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体であり、難治性の気管支喘息やアトピー性皮膚炎などに対する治療薬である。本症例は、難治性のアトピー性皮膚炎に対してデュピルマブによる治療を開始したところ、脱毛症を発症した1例である。本薬剤による脱毛症の報告は少ないが、使用中は脱毛症の発生も念頭に置いて経過観察を行うべきである。
- 著者(発表者)
- 山根沙紀ほか
- 所属施設名
- 大阪大学ほか
- 表題(演題)
- アトピー性皮膚炎に対するデュピルマブ治療中に生じた脱毛症の1例
- 雑誌名(学会名)
- 第51回 日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会 プログラム・抄録集 222 (2021)
第51回 日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会(2021.11.26-12.27)
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