イオメプロールによる多発性固定薬疹
2014年2月掲載
薬剤 | イオメプロール診断用薬(体外診断用医薬品を除く) |
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副作用 | 多発性固定薬疹 |
概要 | 72歳、男性。狭心症精査のため冠動脈CT検査を受けた際、造影剤のイオメプロールを投与された。約8時間後より躯幹、四肢に最大径10㎝までの瘙痒を伴う浮腫性紅斑が多発した。スクラッチパッチテストにて無疹部、皮疹部ともに陽性を呈し、イオメプロールによる多発性固定薬疹と診断した。入院の上補液のみを行い、皮疹は1週間後に淡い色素沈着を残して軽快した。 |
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イオメプロールは非イオン性ヨード造影剤の中では比較的新しい製剤である。非イオン性ヨード造影剤による多発性固定薬疹の報告例はほとんどが腎不全患者である。糸球体濾過量低下による排泄遅延や、透析患者では造影剤使用時から透析までの期間における血中の造影剤の滞留などにより、感作されやすくなると考えられる。本症例では血液検査での腎機能障害は軽度であったが、推定糸球体濾過量を測定すると中等度の腎機能障害があり、感作されやすい状態にあったと考えられる。イオメプロールやイオパミドールは腎機能障害の患者への使用が推奨されているため、今後同様な症例の増加に注意する必要がある。
- 著者(発表者)
- 貞安杏奈ほか
- 所属施設名
- 東京女子医科大学東医療センター皮膚科ほか
- 表題(演題)
- イオメプロールによる多発性固定薬疹の1例
- 雑誌名(学会名)
- 皮膚科の臨床 55(11) 1405-1409 (2013.11)
第75回 日本皮膚科学会東京支部学術大会
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