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ジアフェニルスルホンによる閉塞性細気管支炎

2021年5月掲載

薬剤 ジアフェニルスルホン化学療法剤
副作用 閉塞性細気管支炎
概要 13歳、男児。ステロイドと血液凝固第XIII因子製剤でコントロール不良の難治性IgA血管炎に対し、ジアフェニルスルホン(DDS)の内服を開始した。投与2日目に酸素飽和度の低下が出現し、投与4日目の胸部CTでモザイクパターンを認め、閉塞性細気管支炎と考えた。DDS内服の中止後2日で酸素飽和度は上昇し、画像所見も改善した。

監修者コメント

IgA血管炎は、以前はヘノッホ-シェーンライン紫斑病と呼ばれており、主に小型の血管を侵す血管炎である。小児に多く、一般的な症状としては、触知可能な紫斑、関節痛、腹痛、糸球体腎炎などがある。本文献では、難治性のIgA血管炎に対してDDSを投与したところ、閉塞性細気管支炎を発症した1例を報告している。稀ではあるが、DDSの投与により薬剤性閉塞性細気管支炎を発症する可能性があり、注意が必要である。

著者(発表者)
藤里秀史ほか
所属施設名
茨城県立こども病院総合診療科
表題(演題)
難治性IgA血管炎に対して投与したジアフェニルスルホンにより発症した薬剤性閉塞性細気管支炎の1例
雑誌名(学会名)
日本小児科学会雑誌 124(12) 1777 (2020.12)
第118回 茨城小児科学会(2018.6.17)

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