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プレドニゾロンによる薬疹

2014年1月掲載

薬剤 プレドニゾロンホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
副作用 薬疹
概要 62歳、男性。突発性難聴に対して近医でプレドニン®、メチコバール®、アデホスコーワ®、セルベックス®の内服治療を開始された。翌日、全身に皮疹を認め、当院を受診した。米粒大までの紅斑、丘疹がほぼ全身に多発し、播種状紅斑丘疹型中毒疹と診断した。メチコバール®、アデホスコーワ®、セルベックス®の内服を中止し、プレドニン®をリンデロン®に変更したところ、皮疹は約2週間の経過で改善した。DLST検査では全て陰性であり、パッチテストではプレドニン®のみ陽性であった。成分パッチテストを試行したところ、プレドニン®に含有される各成分のうち、主成分であるプレドニゾロンのみが陽性であった。以上よりプレドニゾロンによる薬疹と診断した。

監修者コメント

本症例では突発性難聴に対しプレドニン®を含む薬物治療を行ったところ、全身に皮疹を認めた。パッチテストの結果、プレドニン®の主成分であるプレドニゾロンによる薬疹と診断された。プレドニゾロンは各科領域で広く使用されている薬剤であり、皮膚科領域では薬疹に対する代表的な治療薬である。頻度は極めて少ないが、本剤の副作用として薬疹があることを念頭に置く必要がある。

著者(発表者)
赤池智子ほか
所属施設名
聖路加国際病院
表題(演題)
プレドニゾロンの薬疹を認めた1例
雑誌名(学会名)
Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology 7(5) 452 (2013.11)
第43回 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会(2013.11.29-12.1)

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