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免疫グロブリンによる無顆粒球症

2021年3月掲載

薬剤 免疫グロブリン生物学的製剤
副作用 無顆粒球症
概要 48歳、男性。歯肉・口腔内の多発性アフタを主訴に受診。病理で棘融解を伴う表皮内水疱を認め、蛍光抗体直接法で表皮細胞膜表面にIgG、IgA、C3の沈着を認め、Dsg3抗体が陽性であった。以上より粘膜型尋常性天疱瘡と診断した。入院にて、プレドニゾロン、アザチオプリン内服を開始したが、粘膜症状の改善に乏しく、免疫グロブリン大量療法(IVIG)を追加した。粘膜症状は改善したが、開始7日目に無顆粒球症を生じた。アザチオプリンの関与も否定できなかったが、投与のタイミングからIVIGによるものと考えた。

監修者コメント

本症例は、難治性の粘膜型尋常性天疱瘡に対して施行した免疫グロブリン大量療法(IVIG)後に無顆粒球症を生じた1例である。IVIGによる無顆粒球症の報告は少なく、稀な有害事象ではあるが、著者らの施設では、IVIG後に無顆粒球症を発症した症例は2例目とのことであり、注意すべき有害事象の1つといえる。

著者(発表者)
本田えりほか
所属施設名
久留米大ほか
表題(演題)
免疫グロブリン大量療法後に無顆粒球症を生じた粘膜型尋常性天疱瘡の1例
雑誌名(学会名)
第72回 日本皮膚科学会西部支部学術大会 プログラム・抄録集 119 (2020)
第72回 日本皮膚科学会西部支部学術大会(2020.10.24-25)

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