アトルバスタチンによる貧血、LDH高値
2020年6月掲載
薬剤 | アトルバスタチン循環器官用剤 |
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副作用 | 貧血、LDH高値 |
概要 | 68歳、女性。総コレステロール(TC)値が274 mg/dLと高値のため、アトルバスタチン10 mgが処方された。開始2ヵ月で体重が5 kg減少し、さらに開始3ヵ月後から全身倦怠感も出現し、他院受診時に貧血(Hb 8.0 g/dL)とLDH高値(1,402 U/L)を指摘され、転院となった。 LDHが1,000 U/Lを超える異常高値のため、骨髄異形成症候群、赤芽球癆、発作性夜間血色素尿症などを鑑別すべく精査が進められたが、異常は認められなかった。また、TC 119 mg/dL、HDL-C 30mg/dL、LDL-C 76 mg/dLと低値であったため、前医から継続中のアトルバスタチンは中止となった。中止1週間後には体調が回復傾向に転じ食欲も増進し、中止2ヵ月後には貧血、LDH高値も完全に正常化したことから、アトルバスタチンが原因薬剤と考えられた。 |
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HMG-CoA還元酵素阻害剤であるアトルバスタチン(リピトール®)は、脂質異常症の治療薬として広く用いられている。本薬剤の有害事象としては、横紋筋融解症などが報告されているが、本文献では、LDH高値を伴う薬剤起因性貧血を報告している。本薬剤は日常診療において頻繁に処方されており、生活習慣病のリスクを軽減する目的で、今後も使用頻度が増加することが予想される。本薬剤の投与中にLDH上昇や貧血を認める可能性があるため、漫然と投与するのではなく、定期的に血液検査などを行うことが重要である。
- 著者(発表者)
- 藤澤紳哉ほか
- 所属施設名
- 磐田市立総合病院血液内科
- 表題(演題)
- LDH高値を呈したアトルバスタチンによる薬剤起因性貧血
- 雑誌名(学会名)
- 臨床血液 61(1) 44-46 (2020.1)
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