組換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンによる脂肪萎縮症
2013年12月掲載
薬剤 | サーバリックス生物学的製剤 |
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副作用 | 脂肪萎縮症 |
概要 | 18歳、女性。3週間前から出現した右上腕皮膚の萎縮、陥凹を主訴に当科を受診した。5ヵ月前に組換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンを同部位に筋肉注射していた。同剤による脂肪萎縮症を疑い、モルフェア、深在性エリテマトーデスなどの鑑別目的に皮膚生検を施行した。病理組織学的検査では病変の主体は皮下脂肪織にあり、脂肪細胞の変性および消失が認められた。ヒアリン様物質の沈着、脂肪滴を貪食する組織球を認めた。臨床経過および生検の組織所見と合わせて2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンによる脂肪萎縮症と診断した。 |
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子宮頚がんワクチンであるサーバリックス®はHPV-16とHPV-18に効果がある2価ワクチンである。これまでに、サーバリックス®による脂肪萎縮症の報告はないが、同じくHPVに対する4価ワクチンであるガーダシル®による脂肪萎縮症が報告されている。今後、子宮頚がんワクチンを接種する女性が増加することが予想されるが、婦人科医師は本剤により脂肪萎縮症が生じることを認識し、薬剤が皮下脂肪織に流入しないように確実に筋肉内に注射することが重要である。また、注射後に刺入部を揉むことにより薬剤が漏出する可能性もあるため、患者に対し局注部位を揉まないように説明、指導するなどの対策をとる必要がある。
- 著者(発表者)
- 三田村康貴ほか
- 所属施設名
- 国立病院機構九州医療センター皮膚科アレルギー科ほか
- 表題(演題)
- サーバリックス®により生じた脂肪萎縮症の1例
- 雑誌名(学会名)
- 臨床婦人科産科 67(9) 982-984 (2013.9)
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