イブプロフェンによる薬物乱用頭痛
2020年1月掲載
薬剤 | イブプロフェン中枢神経用薬 |
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副作用 | 薬物乱用頭痛 |
概要 | 14歳、女児。半年前から前額部に拍動性頭痛があり、近医を受診しイブプロフェンが処方されていた。イブプロフェンは当初は有効であったが、頭痛の頻度が増加し、使用頻度が増えるにつれて効果が減弱していった。不足分はドラッグストアで補っていたが、頭痛が連日となったことから精査目的で紹介された。経過より薬物乱用頭痛(MOH)を疑い、イブプロフェンの中止を指示し、アセトアミノフェンを処方した。頭痛が増強するようなら受診するよう伝えたが、イブプロフェンを中止後頭痛が増強しても受診せず我慢して過ごしていた。5日経過したころから頭痛は消失し、以降2ヵ月の間に1度だけ軽度な頭痛が出現したが、アセトアミノフェン頓用が奏功し、再度増加することはなかった。 |
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イブプロフェンによる薬物乱用頭痛(medication-overuse headache: MOH)の一例である。MOHは、鎮痛薬の使用過多によって起こる二次性頭痛である。現在、我が国の薬局では処方箋なく多くの鎮痛薬を入手できる状況にあることから、MOHのリスクは高まっていると考えられる。MOHは一旦発症すると離脱には困難を伴い、再発率も高いことが報告されている。医療従事者がMOHについて熟知し、早期から患者への情報提供を行うことで、MOHへの進展を回避することが重要である。
- 著者(発表者)
- 宮本健ほか
- 所属施設名
- 浜松医療センター小児科
- 表題(演題)
- イブプロフェンによる薬物乱用頭痛の女児例
- 雑誌名(学会名)
- 日本小児臨床薬理学会雑誌 31(1) 42-45 (2018)
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