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六君子湯、モサプリドによるアナフィラキシーショック、アレルギー性急性間質性腎炎

2019年6月掲載

薬剤 六君子湯漢方製剤
モサプリド消化器官用薬
副作用 アナフィラキシーショック、アレルギー性急性間質性腎炎
概要 35歳、男性。既往歴にアトピー性皮膚炎がある。嘔気や倦怠感の二日酔い症状に対し、過去に内服のあった六君子湯とモサプリドを服用し、常用の市販サプリメント2種も内服した。数時間後、局所的に出現した膨疹が全身に拡大し、関節痛、悪寒、呼吸苦も生じたたため、救急搬送となった。搬送時はショック状態で、アドレナリン0.3 mg筋注し、症状は改善した。入院翌日、それまで正常だったクレアチニン値が上昇し(0.68→2.60 mg/dL)、第4病日には高カリウム血症ならびに代謝性アシドーシスも認め、ステロイドパルス(mPSL 500 mg×3日間)ならびに人工透析を開始した。第20病日に施行した腎生検でアレルギー性急性間質性腎炎と診断された。入院中2度にわたり施行したDLSTでは、被疑薬(六君子湯、モサプリド、市販のサプリメント2種)はすべて陽性であった。ステロイド内服は継続する方針とし、第35病日に退院となった。

監修者コメント

嘔気や倦怠感などの症状に対して六君子湯およびモサプリドを内服したところ、アナフィラキシーショックに次いでアレルギー性急性間質性腎炎を発症した一例である。同一原因物質によりI型(アナフィラキシーショック)とIV型(アレルギー性急性間質性腎炎)アレルギーが重複して生じたと考えられており、極めて稀な病態といえる。

著者(発表者)
吉岡義朗ほか
所属施設名
太田西ノ内病院救命救急センター
表題(演題)
アナフィラキシーショックに次いでアレルギー性急性間質性腎炎を生じた1例
雑誌名(学会名)
第46回 日本集中治療医学会学術集会 抄録集(Web) O29-5 (2019)
第46回 日本集中治療医学会学術集会 (2019.3.1-3)

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