小柴胡湯による横紋筋融解症
2019年4月掲載
薬剤 | 小柴胡湯漢方製剤 |
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副作用 | 横紋筋融解症 |
概要 | 69歳、男性。慢性腎臓病、機能性胃腸症、うつなどで外来通院中。慢性的な嘔気と食欲不振があり、X年7月当院漢方外来に紹介。抗うつ薬を含め、18種類の薬剤を内服中であった。六君子湯内服にて症状は一進一退であったが、X+1年1月22日、食欲不振を強く訴え、口の苦みや胸脇苦満も出現していたため、小柴胡湯へ転方した。2月15日、消化器内科定期受診時、肝機能障害と倦怠感を認めたため消化器内科に入院となった。同日よりふくらはぎ、背中、全身の筋肉痛が出現し、採血を行ったところ、クレアチニンキナーゼ(CK)の上昇を認め、横紋筋融解症と診断された。極度の低カリウム血症はみとめなかった。前月に開始した小柴胡湯を中止したところ、CKは正常化し退院となった。 |
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小柴胡湯が原因と考えられた横紋筋融解症の一例である。初発症状は倦怠感のみで、トランスアミラーゼが上昇していたため、当初は肝機能障害と考えられていたが、入院後に筋肉痛が出現し、横紋筋融解症に伴うトランスアミラーゼの上昇であることが判明した。小柴胡湯による横紋筋融解症の報告は稀であるが、本薬剤の内服中に筋肉痛などの症状を認めた場合には、本合併症も念頭に置き、薬剤の中止などを考慮すべきである。
- 著者(発表者)
- 山﨑麻由子ほか
- 所属施設名
- 済生会栗橋病院 漢方内科ほか
- 表題(演題)
- 小柴胡湯が原因と考えられた横紋筋融解症の1例
- 雑誌名(学会名)
- 第75回 日本東洋医学会関東甲信越支部学術総会 30 (2018)
第75回 日本東洋医学会関東甲信越支部学術総会 (2018.9.23)
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