ゴリムマブによる乾癬様皮疹
2019年3月掲載
薬剤 | ゴリムマブその他の代謝性医薬品 |
---|---|
副作用 | 乾癬様皮疹 |
概要 | 55歳、女性。1995年に掌蹠膿疱症性と診断され、関節痛と脊椎炎に対し2015年3月よりゴリムマブを開始した。2回投与後から生じた四肢の紅斑が拡大し、体幹・四肢に鱗屑と掻痒も伴うようになり、生検組織からゴリムマブによる乾癬様皮疹と診断された。クロベタゾールプロピオン酸エステルの外用では改善に乏しく、全身ナローバンドUVB療法を開始した。治療開始から約1ヵ月後に皮疹は改善し、色素沈着の状態まで改善した。 |
---|
本症例はヒト型抗ヒトTNFαモノクロール抗体製剤であるゴリムマブ(シンポニー®️)の投与により乾癬様皮疹を発症した一例である。乾癬の治療薬である抗TNFα抗体製剤により乾癬様皮疹を発症する症例がこれまでにも報告されており、paradoxical reactionと呼ばれている。抗TNFα抗体製剤は関節リウマチや炎症性腸疾患、乾癬などの治療薬として広く使用されているが、paradoxical reactionとしての乾癬様皮疹に注意する必要がある。
- 著者(発表者)
- 豊城舞子ほか
- 所属施設名
- 順天堂大学大学院医学研究科,皮膚科学・アレルギー学ほか
- 表題(演題)
- ゴリムマブ投与により乾癬様皮疹を生じた掌蹠膿疱症性関節炎の1例
- 雑誌名(学会名)
- 皮膚科の臨床 60(10) 1587-1591 (2018.9)
監修者コメント