せりみっく 今月の症例

ホーム > 新着文献  > リバーロキサバンによる肺胞出血

リバーロキサバンによる肺胞出血

2018年12月掲載

薬剤 リバーロキサバン血液・体液用薬
副作用 肺胞出血
概要 80歳、女性。2年前から心房細動に対して、リバーロキサバンが投与されていた。2日前からの咳嗽、咽頭痛、頭痛、1日前からの肉眼的血尿を認め、当院受診した。クレアチニンクリアランスは37mL/minに低下していた。気管支肺胞洗浄で、徐々に濃くなる血性の回収液を認め、リバーロキサバンによる肺胞出血と診断した。同薬の中止、止血剤、コルチコステロイド投与で改善した。

監修者コメント

選択的直接作用型第Xa因子阻害剤であるリバーロキサバン(イグザレルト®)により肺胞出血を来たした一例である。アスピリン、シロスタゾール、クロピドグレル、ワーファリンなどの抗血小板剤、抗凝固薬による肺胞出血の報告は多いが、トロンビン阻害薬や第Xa因子阻害剤による肺胞出血の報告は稀である。本症例は高齢者で、腎機能障害もあったため、血中濃度が上昇して肺胞出血を発症した可能性が考えられている。特に高齢者に対して本剤を投与する際には、慎重な経過観察が必要である。

著者(発表者)
伊藤有平ほか
所属施設名
伊勢赤十字病院呼吸器内科
表題(演題)
リバロキサバンによる肺胞出血の1例
雑誌名(学会名)
気管支学 40(3) 216-220 (2018.5)

新着文献 一覧

PAGETOP