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モンテルカストによる睡眠時遊行症様症状

2018年8月掲載

薬剤 モンテルカストアレルギー用薬
副作用 睡眠時遊行症様症状
概要 7歳、男児。咳嗽が持続するようになり、気管支喘息症状と考え、モンテルカスト内服が開始された。内服開始3日後に母親から患児の睡眠時異常行動について電話での報告があり、咳嗽が改善していることが確認されたため、服用を中止するように指示したところ、異常行動は消失した。2週間後診察に訪れた際に患児の様子について聴取したところ、今回のエピソードは睡眠時遊行症の症状と思われた。夢遊症が副作用の1つとして添付文書にも記載されていること、薬剤の中止で症状が消失したこと、これまでに睡眠関連の異常は認めていなかったことから、今回の一連の症状はモンテルカスト内服に関連したものであると考えられた。

監修者コメント

ロイコトリエン受容体拮抗薬(leukotriene receptor antagonist: LTRA)は、気管支喘息の治療薬として、単独もしくは吸入ステロイド薬との併用で広く使用されている。本文献では、代表的なLTRAの1つであるモンテルカスト(シングレア®、キプレス®)の内服により睡眠時遊行症(夢遊症)症状を発症した男児の症例を紹介している。同薬剤の添付文書にも頻度不明の副作用として異夢や夢遊症が記載されている。稀な副作用ではあるが、内服後に睡眠時遊行症を含む精神症状を発症する可能性があることに注意すべきである。

著者(発表者)
大仲雅之ほか
所属施設名
奈良県総合医療センター小児科
表題(演題)
モンテルカストの内服後に睡眠時遊行症様症状を呈した7歳男児例
雑誌名(学会名)
日本小児アレルギー学会誌 32(1) 96-101 (2018.3)

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