ゲフィチニブによる腸管気腫
2018年8月掲載
薬剤 | ゲフィチニブ腫瘍用薬 |
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副作用 | 腸管気腫 |
概要 | 78歳、男性。75歳、肺腺癌の多発肺転移を認め、ゲフィチニブの内服を開始した。誤嚥性肺炎のため入院となったが、経過中に嘔吐を認めたため腹部CTを撮影したところ、腹腔内遊離ガス、腸管気腫を認めた。血液検査で炎症反応上昇あるが、腹痛、腹膜刺激症状は認めず、造影CTでも腸管虚血、腸管穿孔は否定的であった。便秘症に加えゲフィチニブ内服による腸管気腫と考え、ゲフィチニブを中断し保存的加療の方針とした。絶食、酸素投与と補液による治療を開始し、腹腔内遊離ガスと腸管気腫の改善と消失を認めた。 |
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EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるゲフィチニブ(イレッサ®)はEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌の治療薬として使用されている。主な副作用として、間質性肺炎などが問題となっているが、本文献では、腸管気腫を合併した稀な症例を報告している。同薬剤が消化管粘膜の防御や修復機能に障害をきたし、腸管気腫を発症した可能性が考えられている。
- 著者(発表者)
- 山下典亮ほか
- 所属施設名
- 公立甲賀病院
- 表題(演題)
- ゲフィニチブ内服中に腸管気腫を呈した1例
- 雑誌名(学会名)
- 日本消化器病学会近畿支部 第108回 例会 プログラム・抄録集 106 (2018)
第108回 日本消化器病学会近畿支部例会 (2018.3.17)
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