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ランソプラゾールによる脱毛

2018年3月掲載

薬剤 ランソプラゾール消化器官用薬
副作用 脱毛
概要 60歳代、男性。大動脈弁狭窄症、心房細動、冠動脈疾患に対して大動脈弁置換術、冠動脈バイパス手術、Maze手術を施行され、心臓血管外来にて外来でフォローされていた。貧血で入院を繰り返し、精査目的で入院になるも原因は特定できず、薬剤性が疑われた。同時期に脱毛も認められ、薬剤性による脱毛の有無を調査した。ランソプラゾール(LPZ)の添付文書には副作用に脱毛がある事、検査結果や服用開始時期等より、被疑薬としてLPZが挙げられた。主治医との相談しLPZ中止した後、脱毛は改善傾向にあり、現在も問題なく経過している。

監修者コメント

薬剤性脱毛は主に抗がん剤で認められ、抗がん剤以外では、非ステロイド系抗炎症薬や高脂血症治療薬などで報告があるが、ランソプラゾールによる薬剤性脱毛は稀である。本剤を含むプロトンポンプ阻害薬は消化性潰瘍、逆流性食道炎やヘリコバクター・ピロリの除菌治療などで汎用されており、本剤の投与中に脱毛が認められた場合には、薬剤性脱毛も考慮する必要がある。

著者(発表者)
高橋雄也ほか
所属施設名
医療法人沖縄徳洲会吹田徳洲会病院
表題(演題)
ランソプラゾールによる脱毛の副作用を認めた一症例
雑誌名(学会名)
第27回 日本医療薬学会年会 抄録集(Web) P0902-5-AM (2017) 
第27回 日本医療薬学会年会 (2017.11.3-5)

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