レパグリニドとクロピドグレル併用による遷延性低血糖
2017年12月掲載
薬剤 | レパグリニドその他の代謝性医薬品 クロピドグレル血液・体液用薬 |
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副作用 | 遷延性低血糖 |
概要 | 89歳、男性。2型糖尿病のためレパグリニド、テネリグリプチン、ボグリボースの内服を行っていた。閉塞性動脈硬化症に対してクロピドグレルの内服を開始したところ翌日の夕食後に低血糖性昏睡で入院となった。経口血糖降下薬は中止したが、低血糖は遷延した。遷延性重症低血糖の原因が不明であったため一旦は経口血糖降下薬を再開せずに経過観察としていたが、テネリグリプチン、ボグリボースの2剤から再開し、レパグリニドを追加したところ再び同様の重症低血糖をきたし、入院した。いずれの低血糖もレパグリニドとクロピドグレルの併用を開始した翌日に出現しており、両薬剤の併用による遷延性重症低血糖と推定された。 |
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2型糖尿病の治療薬であるレパグリニド(シュアポスト®)は短時間作用型のインスリン分泌促進薬である。本症例はレパグリニド内服中に閉塞性動脈硬化症に対してクロピドグレル(プラビックス®)を併用したところ、遷延性重症低血糖を発症した。レパグリニドは、単独では遷延性低血糖をきたしにくいとされているが、クロピドグレルによる薬物代謝酵素CytochromeP450(CYP)2C8の阻害がレパグリニド血中濃度を上昇させたことが原因と考えられた。レパグリニドの添付文書にもクロピドグレルとの併用に関する注意が追記されている。両薬剤は大血管障害を有する糖尿病患者において併用されることも多く、併用の際には相互作用による低血糖に十分に注意する必要がある。
- 著者(発表者)
- 石井俊史ほか
- 所属施設名
- 山梨県立中央病院腎臓内科ほか
- 表題(演題)
- レパグリニドとクロピドグレル併用による遷延性重症低血糖の1例
- 雑誌名(学会名)
- 糖尿病 60(6) 461-465 (2017.6)
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