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パクリタキセルによる黄斑症

2013年7月掲載

薬剤 パクリタキセル腫瘍用薬
副作用 黄斑症
概要 63歳、男性。胃癌肝転移に対しパクリタキセル投与を開始した。1ヵ月後より視力低下を自覚し、開始して4ヵ月後に精査加療目的にて当科を受診した。初診時矯正視力は両眼とも0.3であり、両眼に嚢胞様黄斑浮腫を認めたため、パクリタキセルを中止した。その後、黄斑浮腫は改善し視力の改善は得られたが、黄斑浮腫は完全に消失しなかった。

監修者コメント

本症例では、胃癌肝転移に対しパクリタキセルを投与したところ、視力低下をきたし、両眼に嚢胞様黄斑浮腫を認めた。タキサン系抗癌剤の一つであるパクリタキセルの副作用としてまれに嚢胞様黄斑浮腫をきたすことが知られている。特に、本症例のようにフルオレセイン蛍光眼底造影検査で異常所見を認めない嚢胞様黄斑浮腫をきたすことが知られているため、注意が必要である。

著者(発表者)
佐藤尚人ほか
所属施設名
公立昭和病院眼科
表題(演題)
パクリタキセル黄斑症の1例
雑誌名(学会名)
眼科臨床紀要 6(4) 338 (2013.4)
第55回 東京多摩地区眼科集談会 (2012.10.13)

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