ニボルマブによるACTH単独欠損症
2017年2月掲載
薬剤 | ニボルマブ腫瘍用薬 |
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副作用 | ACTH単独欠損症 |
概要 | 76歳、女性。2008年悪性黒色腫と診断され、2015年9月から当院皮膚科にて抗PD-1抗体ニボルマブが投与された。投与9回目終了後の2016年3月に倦怠感と食欲不振が出現した。ACTH・コルチゾールの日内変動は消失しており、下垂体MRIでは明らかな異常所見を認めず、他の下垂体ホルモンに分泌異常は認めなかった。これらの所見よりACTH単独欠損症と診断し、ヒドロコルチゾンの投与を開始したところ、自覚症状は速やかに改善した。 |
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抗PD-1抗体であるニボルマブ(オプジーボ®)は免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれており、抗原特異的T細胞を活性化させることにより抗腫瘍効果を示す。根治切除不能な悪性黒色腫や非小細胞肺癌などに対して使用されているが、副作用として下垂体や甲状腺の機能異常、1型糖尿病の発症などが報告されている。本文献では、ニボルマブの投与後にACTH単独欠損症を発症した症例を紹介している。ニボルマブの投与中に倦怠感・食欲低下や電解質異常などが認められた場合は、本合併症の可能性も考慮する必要がある。
- 著者(発表者)
- 高橋由華ほか
- 所属施設名
- 北海道大学大学院医学研究科免疫・代謝内科学分野内科2
- 表題(演題)
- 抗PD-1抗体ニボルマブ投与によりACTH単独欠損症を呈した一例
- 雑誌名(学会名)
- 日本内分泌学会雑誌 92(2) 495 (2016.10)
第26回 臨床内分泌代謝Update (2016.11.18-19)
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