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メチルプレドニゾロンによる薬剤性肝障害

2013年4月掲載

薬剤 メチルプレドニゾロンホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
副作用 肝障害
概要 46歳、男性。多発性硬化症(MS)で通院治療中。左Th4-10レベルの胸部表在知覚低下を認め、MS再燃と診断してステロイドパルス療法2クールを施行したところ肝胆道系酵素の著明上昇を認め入院した。各種肝炎ウイルスの関与を認めず、AIHスコア低く、病理組織像所見、DDW-J2004薬物性肝障害ワークショップスコア11点により、プレドニゾロンによる薬剤性肝炎と診断した。同薬剤の中止ならびにウルソデオキシコール酸、グリチルリチン酸製剤の投与により改善した。

監修者コメント

本症例ではトランスアミナーゼ値の上昇が胆道系酵素に比べて優位であり、またウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎なども否定的であることから、メチルプレドニゾロンによる肝細胞障害型薬剤性肝障害と診断されている。薬剤性肝障害の多くは抗菌薬や解熱鎮痛薬などによるものが多く、ステロイド剤による肝機能障害の報告は稀である。特に肝機能障害のある患者に対してステロイド剤を使用する際には注意が必要である。

著者(発表者)
中原麻衣ほか
所属施設名
坂出市立病院内科ほか
表題(演題)
メチルプレドニゾロンによる薬剤性肝障害の1例
雑誌名(学会名)
第107回 日本内科学会四国地方会 29 (2012)
第107回 日本内科学会四国地方会 (2012.12.2)

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