肺炎球菌ワクチンによる眼・頚部神経障害
2013年3月掲載
薬剤 | 肺炎球菌ワクチン生物学的製剤 |
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副作用 | 眼・頚部神経障害 |
概要 | 75歳、女性。肺炎球菌不活化ワクチン接種を受け、頭痛と眩暈を自覚したが2週後に消失、その頃から右側が見えづらい、頭を左に傾けると見え易い、左眼が自然に閉じるなどの訴えで受診。全外眼筋麻痺(右外転障害)、左眼瞼下垂、斜頚(右回旋、左屈)、肩甲帯筋力低下、右小指知覚鈍麻を認めた。脳MRIや髄液検査で異常を認めず、肺炎ワクチン接種後に惹起された免疫介在性神経障害と診断した。ステロイドパルス療法、ヒト免疫グロブリン大量静注およびプレドニゾロン内服により経時的に回復、70病日に症状は消失した。 |
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ワクチン投与後の全身副反応としての神経障害はインフルエンザウイルス・ワクチンで多く報告されているが、肺炎球菌ワクチンやヘモフィルス・インフルエンザ菌(B型)ワクチンでの報告は多くはない。著者は、機序不明の症例が多く本例でも機序の特定に至らなかったが重要な情報と考えて報告した、と述べている。
- 著者(発表者)
- 高辻健太ほか
- 所属施設名
- 県立南部医療センター・こども医療センター神経内科ほか
- 表題(演題)
- 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスR)接種後に眼・頚部神経障害を惹起した一例
- 雑誌名(学会名)
- 沖縄医学会雑誌 51(3) 193 (2012.12)
第115回 沖縄県医師会医学会総会、第135回 日本医師会生涯教育講座 (2012.12.9)
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