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ゴリムマブ、セルトリズマブペゴルによる顕微鏡的多発血管炎

2016年7月掲載

薬剤 ゴリムマブその他の代謝性医薬品
セルトリズマブペゴルその他の代謝性医薬品
副作用 顕微鏡的多発血管炎
概要 73歳、女性。関節リウマチに対してゴリムマブが投与され、効果不十分のためセルトリズマブペゴルが投与されていた。尿蛋白、尿潜血、軽度腎機能障害、CRP高値を認め入院したが、急速な腎機能障害の進行、MPO-ANCA高値より、ANCA関連血管炎による急速進行性糸球体腎炎が疑われ当科転院となった。腎生検結果より顕微鏡的多発血管炎(MPA)と診断した。ステロイド治療によりMPAの経過は良好であったが、急性胆石性膵炎を発症し死亡した。

監修者コメント

TNF阻害薬は関節リウマチや炎症性腸疾患などの自己免疫疾患の治療薬として使用されているが、副作用として、抗核抗体、抗DNA抗体、抗リン脂質抗体、ANCAなどの自己抗体の出現および自己免疫疾患の発症が報告されている。本症例では、関節リウマチに対するTNF阻害薬の使用中にANCA関連血管炎による急速進行性糸球体腎炎を発症した。TNF阻害薬を使用する際は、稀ではあるがANCA関連血管炎を合併する可能性に注意する必要がある。

著者(発表者)
大村雄一ほか
所属施設名
大分大学医学部内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座
表題(演題)
TNF阻害薬投与後に顕微鏡的多発血管炎による急速進行性糸球体腎炎を発症した関節リウマチの一例
雑誌名(学会名)
九州リウマチ 36(1) 27-33 (2016.3)

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