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ロミプロスチムによるMyeloid Sarcoma

2016年4月掲載

薬剤 ロミプロスチムその他の代謝性医薬品
副作用 Myeloid Sarcoma
概要 72歳、男性。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断され、エルトロンボパグを投与したが肝障害のため中止。ロミプロスチムが開始されたが、効果は認められず、血小板は1万台で推移した。その後のCT検査で右頚部および腋窩リンパ節腫大が認められ、リンパ節生検により分類困難な急性骨髄性白血病のリンパ節浸潤が疑われる像が認められた。ロミプロスチムの長期投与によるMyeloid Sarcomaが疑われたため、ロミプロスチムを中止したところ、リンパ節の縮小が認められ再燃なく経過している。

監修者コメント

本症例は、ITPに伴う血小板減少に対して長期間投与されたロミプロスチム(ロミプレート®)によるMyeloid Sarcomaが疑われた1例である。エルトロンボパグやロミプロスチムなどのトロンボポエチン受容体作動薬の投与後に一過性の芽球増加や急性骨髄性白血病の発症が報告されているが、その多くは骨髄異形成症候群(MDS)に対する投与例である。また、髄外病変を主とするMyeloid Sarcomaの報告は稀であり、興味深い1例といえる。

著者(発表者)
日高大輔ほか
所属施設名
札幌北楡病院血液内科
表題(演題)
Romiplostimによるmyeloid sarcomaが疑われた難治性特発性血小板減少性紫斑病
雑誌名(学会名)
臨床血液 56(12) 2524 (2015.12)
第57回 日本血液学会秋季北海道地方会 (2015.9.12)

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