せりみっく 今月の症例

ホーム > 新着文献  > パラホルムアルデヒドによるアナフィラキシーショック

パラホルムアルデヒドによるアナフィラキシーショック

2016年3月掲載

薬剤 パラホルムアルデヒド歯科口腔用薬
副作用 アナフィラキシーショック
概要 32歳、女性。歯髄炎に対してリドカインによる局所麻酔下に抜髄処置後、パラホルムアルデヒド含有歯根管治療剤を充填された。歯科治療1時間後にアセトアミノフェンを内服した。歯科治療4時間半後に全身の膨疹、呼吸苦が出現し、近医へ緊急搬送された。アナフィラキシーショックの診断で、ヒドロコルチゾン、d-クロルフェニラミンの投与により、順次呼吸苦、膨疹は改善した。後日、皮内テストを施行し、パラホルムアルデヒドによる即時型アレルギーと診断した。

監修者コメント

本文献では歯根管治療剤に含まれるパラホルムアルデヒドによりアナフィラキシーショックを起こした症例を報告している。ホルムアルデヒドによる即時型アレルギーは全身症状を呈する重症例が多く、通常の即時型アレルギーに比べ発症までに時間がかかるという特徴がある。歯科における根管治療は一般的に広く行われている処置であり、本症例のように時間とともに増悪するアナフィラキシー症状が認められた場合は、歯科治療の有無を確認することが重要である。

著者(発表者)
前川朋子ほか
所属施設名
国立病院機構九州医療センター皮膚科・アレルギー科
表題(演題)
パラホルムアルデヒド含有歯根管治療剤によるアナフィラキシーショックの1例
雑誌名(学会名)
皮膚科の臨床 57(12) 1893-1898 (2015.11) 

新着文献 一覧

PAGETOP