一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリがんinfo下垂体腫瘍

がんinfo

下垂体腫瘍

概説

このセクションの要点
  • 下垂体腫瘍とは下垂体組織中で異常な細胞が増殖します。
  • 下垂体ホルモンは身体中の他の多くの腺を制御します。
  • ある種の遺伝的状況を有する場合、下垂体腫瘍の発症リスクが増加します。
  • 下垂体腫瘍を疑う症状としては視力障害やいくつかの身体的変化があります。
  • 下垂体腫瘍を発見し、診断するために画像検査や血液、尿を調べる検査が用いられます。
  • 諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

下垂体腫瘍とは下垂体組織中で異常な細胞が成長します。

下垂体腫瘍は、鼻腔後部のすぐ上にあり、脳の中央部に位置するえんどう豆大の小さな器官である下垂体にできる腫瘍です。下垂体は身体の多くの部分の働きに影響するホルモンをつくることから、時に“マスター腺(内分泌中枢)”と呼ばれることがあります。

下垂体腫瘍は3種類に分類されます:
  • 良性下垂体腺腫:腫瘍はがんではありません。これらの腫瘍は非常にゆっくり増殖し、下垂体から身体の他の部位へ拡がることはありません。
  • 浸潤性下垂体腺腫:良性腫瘍ですが、頭蓋骨や下垂体より下にある洞まで拡がることがあります。
  • 下垂体がん:腫瘍は悪性腫瘍(がん)です。これらの下垂体腫瘍は中枢神経系(脳と脊髄)の他の領域や中枢神経系の外側まで拡がることがあります。下垂体腫瘍が悪性であることは非常に稀です。
下垂体腫瘍には非機能性腫瘍と機能性腫瘍があります。
  • 非機能性下垂体腫瘍ではホルモンはつくられません。
  • 機能性下垂体腫瘍では1種類以上のホルモンが正常量よりも多くつくられます。ほとんどの下垂体腫瘍は機能性腫瘍です。下垂体腫瘍により過剰に分泌されたホルモンは疾患のいくつかの症状や徴候を誘発する可能性があります。

下垂体ホルモンは身体中の他の多くの腺を制御します。

下垂体によりつくられるホルモンには次のようなものがあります:
  • プロラクチン:妊娠中や妊娠後に女性の乳房を刺激して乳汁を分泌します。
  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH):副腎を刺激するホルモンで、コルチゾールと呼ばれるホルモンをつくります。コルチゾールは身体中の糖類、蛋白質、脂肪の使用を制御し、身体がストレスに対応するうえで役立ちます。
  • 成長ホルモン:身体の成長や身体中の糖類、脂肪の使用を制御するうえで役立つホルモンです。成長ホルモンはソマトトロピンとも呼ばれます。
  • 甲状腺刺激ホルモン:甲状腺を刺激するホルモンで、成長、体温、心拍数を制御する他のホルモンをつくります。甲状腺刺激ホルモンはチロトロピンとも呼ばれます。
  • 黄体形成ホルモン(LH)・卵胞刺激ホルモン(FSH):女性の月経や男性の精子形成を制御するホルモンです。

下垂体ホルモンは身体中の他の多くの腺を制御します。

下垂体によりつくられるホルモンには次のようなものがあります:
  • プロラクチン:妊娠中や妊娠後に女性の乳房を刺激して乳汁を分泌します。
  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH):副腎を刺激するホルモンで、コルチゾールと呼ばれるホルモンをつくります。コルチゾールは身体中の糖類、蛋白質、脂肪の使用を制御し、身体がストレスに対応するうえで役立ちます。
  • 成長ホルモン:身体の成長や身体中の糖類、脂肪の使用を制御するうえで役立つホルモンです。成長ホルモンはソマトトロピンとも呼ばれます。
  • 甲状腺刺激ホルモン:甲状腺を刺激するホルモンで、成長、体温、心拍数を制御する他のホルモンをつくります。甲状腺刺激ホルモンはチロトロピンとも呼ばれます。
  • 黄体形成ホルモン(LH)・卵胞刺激ホルモン(FSH):女性の月経や男性の精子形成を制御するホルモンです。

ある種の遺伝的状況を有する場合、下垂体腫瘍の発症リスクが増加します。

病気を発症する危険を高めるものをリスク因子と呼びます。リスク因子があるからといって、がんになるとは限りません。またリスク因子がないからといって、将来がんにならないわけではありません。リスクを持つ可能性がある人は医師に相談してください。下垂体腫瘍のリスク因子には次のような遺伝性疾患があります:
  • 多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)症候群。
  • カーニー複合。
  • 孤発性家族性末端肥大症。

下垂体腫瘍を疑う症状としては視力障害やいくつかの身体的変化があります。

腫瘍の増殖や腫瘍により分泌されるホルモンにより症状が現れることがありますが、いくつかの腫瘍では症状が認められないこともあります。下垂体腫瘍以外の状況でも下記のような症状がみられることがあります。以下の症状がひとつでもみられた際には医師の診察を勧めます。
非機能性下垂体腫瘍の症状・徴候
下垂体腫瘍により、時に下垂体の一部が圧迫されるか、損傷することで、1つ以上のホルモンの分泌が止まることがあります。ある種のホルモンが極度に不足するとホルモンを制御する腺や器官の働きに影響することがあります。
以下のような症状がみられます:
  • 頭痛。
  • 多少の視力低下。
  • 体毛の減少。
  • 女性では、月経頻度が少なくなるか無月経となり、乳汁分泌がなくなる。
  • 男性では、顔ひげがなくなり、乳房組織が成長し、インポテンスとなる。
  • 女性、男性とも性欲が低下する。
  • 小児では、成長や性的発達が遅延する。
LHとFSHをつくる腫瘍のほとんどは、症状が現れるほど多くの過剰なホルモンはつくられません。これらの腫瘍は非機能性腫瘍と考えられます。
機能性下垂体腫瘍の症状・徴候
機能性下垂体腫瘍が過剰なホルモンをつくる場合、症状はつくられるホルモンの種類によって異なります。
過剰なプロラクチンにより現れる症状:
  • 頭痛。
  • 多少の視力低下。
  • 月経頻度の減少、無月経または非常に出血量の少ない月経。
  • 妊娠困難、不妊。
  • 男性ではインポテンス。
  • 性欲低下。
  • 妊娠していない女性や授乳中の女性における乳汁漏出。
過剰なACTHにより現れる症状:
  • 頭痛。
  • 多少の視力低下。
  • 身体の顔面、頸部、体躯の重量が増加し、腕や脚が細くなる。
  • 首の後ろに脂肪の塊ができる。
  • 胸や腹部上の皮膚が薄くなり、紫色またはピンク色の皮膚線条がみられる。
  • あざができやすい。
  • 妊顔面や上背、腕のうぶ毛が伸びる。
  • 骨折しやすい。
  • 不安、短気、憂うつとなる。
過剰な成長ホルモンにより現れる症状:
  • 頭痛。
  • 多少の視力低下。
  • 成人では、末端肥大症(顔、手足の成長)、小児では、標準よりも身長が高く、体格が大きくなる。
  • 手や指のしびれとうずくような痛み。
  • 睡眠中のいびきや呼吸停止。
  • 関節痛。
  • 通常よりも多い発汗。
  • 醜形恐怖症(身体の1つ以上の部分について非常に嫌悪感をもつか悩む)
過剰な甲状腺刺激ホルモンにより現れる症状:
  • 不整脈。
  • 戦慄。
  • 体重減少。
  • 睡眠障害。
  • 頻繁な排便。
  • 発汗。
下垂体腫瘍の他の一般的な症状・徴候:
  • 悪心・嘔吐。
  • 錯乱。
  • めまい。
  • てんかん発作。
  • 鼻水や鼻漏(脳や脊髄周囲にある脳脊髄液が鼻腔へ漏れる)。

下垂体腫瘍を発見し、診断するために画像検査や血液、尿を調べる検査が用いられます。

以下の検査や手法が用いられます:
  • 身体所見および既往歴:全身を調べて、しこりや何か異常にみえるものなど疾患徴候を含めた一般的健康状態をチェックします。また患者のこれまでの生活習慣や過去の疾患および治療の病歴についても調べます。
  • 検眼:視力や目の一般的健康状態を調べる検査です。
  • 視野検査:患者さんの視野(物体を見ることができる全範囲)を調べる検査です。この検査は中心視野(まっすぐ正面を向いた場合に見える範囲)と周辺視野(まっすぐ正面を向いた場合に見える他の全ての方向の範囲)の両方を測定します。1回の検査で片眼を検査し、検査しない側の眼をカバーします。
  • 神経学的検査:一連の質問票や検査から脳、脊髄、神経機能を調べます。検査では患者さんの精神状態、協調性、正常に歩行可能か、筋肉、感覚、反射がどの程度良好に機能しているかを調べます。神経学的テスト、神経(機能)検査と呼ばれることもあります。
  • ガドリニウム増強MRI(核磁気共鳴画像法):磁石、電磁波およびコンピュータを用いて脳、脊髄の一連の詳細な画像を撮影する方法です。ガドリニウムと呼ばれる物質を静脈から注入します。ガドリニウムはがん細胞の周囲に集積し、画像がより明瞭に示されます。この方法はまた核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれています。
  • CTスキャン(CATスキャン):いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入するか飲み込むと、臓器や組織がより明瞭に示されます。この方法はまたコンピュータトモグラフィー、コンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法とも呼ばれます。
  • 血液化学的検査:身体中の器官、組織によって血液中に放出されるグルコース(糖)などある物質の量を測定するために、血液サンプルを調べる方法です。ある物質の量が異常(正常値よりも高値か低値)である場合、それをつくる器官、組織における疾患の徴候であることがあります。
  • 血液検査:血液中のテストステロン、エストロゲン値を測定する検査です。これらのホルモンの量が正常値よりも高値か低値である場合、下垂体腫瘍の徴候であることがあります。
  • 24時間蓄尿検査:ある物質の量を測定するために尿を24時間採取する検査です。ある物質の量が異常(正常値よりも高値か低値)である場合、それをつくる器官、組織における疾患の徴候であることがあります。コルチゾールホルモンの量が正常値よりも高い場合、下垂体腫瘍の徴候であることがあります。
  • 高用量デキサメタゾン抑制試験:高用量のデキサメタゾンを1回以上投与する検査です。3日間にわたり採取した血液、尿サンプル中のコルチゾール値を調べます。
  • 低用量デキサメタゾン抑制試験:低用量のデキサメタゾンを1回以上投与する検査です。3日間にわたり採取した血液、尿サンプル中のコルチゾール値を調べます。
  • 下垂体腫瘍に対する静脈サンプリング:下垂体由来の静脈から血液サンプルを採取する方法です。サンプルを調べて腺から血液に放出されたACTH量を測定します。静脈サンプリングは、血液検査においてACTHをつくる腫瘍の存在が示されるものの、画像検査上では下垂体が正常にみえる場合に行われることがあります。
  • 生検:細胞または組織を摘出し、がんの徴候があるかどうかを調べるために病理医が顕微鏡下で観察します。
  • 免疫組織化学的検査:がん組織サンプルに抗体、染色液、放射性同位体などの物質を添加して特定の抗原について調べるための臨床検査です。この種の検査は異なる種類のがんにおける相違を見分けるために用いられます。
  • 光および電子顕微鏡:細胞内の特定の変化を調べるため、標準的および高性能顕微鏡下で組織サンプル中の細胞を観察する臨床検査です。

諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

予後(治癒の可能性)は、腫瘍の種類、腫瘍が中枢神経系(脳、脊髄)の他の領域または中枢神経系の外側の他の身体領域まで拡がっているかどうかによって異なります。

治療法の選択は以下の条件によって異なります:
  • 腫瘍の種類と大きさ。
  • 腫瘍がホルモンを分泌するかどうか。
  • 腫瘍が視力障害や他の症状を誘発しているかどうか。
  • 腫瘍が下垂体周囲の脳または身体の他の部分まで拡がっているかどうか。
  • 腫瘍が診断されたばかりか、再発(再燃)したものかどうか。

ページトップへ

病期

このセクションの要点
  • 下垂体腫瘍と診断されたあと、それが中枢神経系(脳、脊髄)内にとどまっているか、身体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。
  • 下垂体腫瘍はいくつかの方法で示されます。

下垂体腫瘍と診断されたあと、それが中枢神経系(脳、脊髄)内にとどまっているか、身体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。

がんの拡がりや程度は通常病期として示されます。下垂体腫瘍では、標準的病期分類系はありません。下垂体腫瘍と診断されたあと、それが脳内にとどまっているか、身体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。以下のような検査や方法が用いられます:
  • MRI(核磁気共鳴画像法):磁石と電磁波、コンピュータを用いて、体内の一連の詳細な画像を撮影する方法です。この方法はまた核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれています。
  • CTスキャン(CATスキャン):いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入するか飲み込むと、臓器や組織がより明瞭に示されます。この方法はまたコンピュータトモグラフィー、コンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法とも呼ばれます。

下垂体腫瘍はいくつかの方法で示されます。

下垂体腫瘍は大きさとグレード(悪性度)、過剰にホルモンをつくるかどうか、腫瘍が身体の他の部分まで拡がっているかどうかにより分けられます。

以下のような大きさが用いられます:
  • 微小腺腫:腫瘍は1cmより小さい
  • 巨大腺腫:腫瘍は1cmより大きい
ほとんどの下垂体腺腫は微小腺腫です。

下垂体腫瘍のグレードは、トルコ鞍(頭蓋の底部に位置する骨で、そのなかに下垂体がある)を含む脳周囲部位内にどの程度浸潤しているかどうかに基づいています。

再発性下垂体腫瘍
再発性下垂体腫瘍は治療後に再び生じた(再燃)がんのことをいいます。がんは下垂体内または身体の他の部分に再発することがあります。

ページトップへ

治療法の概要

このセクションの要点
  • 下垂体腫瘍の患者に対して様々なタイプの治療法があります。
  • 4種類の標準的治療法が用いられます:
    • 手術療法
    • 放射線療法
    • 薬物療法
    • 化学療法
  • 新しいタイプの治療法は現在、臨床試験で検証中です。
  • 臨床試験に参加したいと考える患者がいるかも知れません。
  • 患者はがんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に臨床試験に参加することができます。
  • フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

下垂体腫瘍の患者に対して様々なタイプの治療法があります。

下垂体腫瘍の患者に対して各種治療法が適用されます。標準的治療法(現在用いられている治療法)もあれば、臨床試験において検証されているものもあります。治療法についての臨床試験は現在行われている治療法の改善やがん患者に対する新しい治療法に対する情報を得るために行われるものです。現時点で標準的と考えられている治療法よりも新しい治療法が良いと示された場合、今度は新しい治療法が標準的治療法になる可能性があります。臨床試験に参加したいと考える患者がいるかもしれません。いくつかの臨床試験は治療を始めていない患者に対してのみ開かれています。

4種類の標準的治療法が用いられます:

手術療法
多くの下垂体腫瘍は以下の技法のいずれかを用いて手術により摘出することができます:
  • 経蝶形骨洞手術:上唇の下側または鼻孔間の鼻の底部を切開(切り込み)して、器具を脳の一部に挿入し、さらに蝶形骨(頭蓋底にある蝶形の骨)を通して下垂体まで達する手術の種類です。下垂体は蝶形骨の真上にあります。
  • 内視鏡的経蝶形骨洞手術:鼻腔内の裏側を切開(切り込み)して内視鏡を挿入し、さらに蝶形骨を通して下垂体まで達する手術の種類です。内視鏡とは、観察用のライトとレンズの付いた細いチューブ状の器具で、組織を切除するための器具を備えているものもあります。
  • 開頭術:頭蓋を開頭して腫瘍を摘出する手術です。
手術で目にみえるがんを全てとり除いたとしても、まだ体内に残っているがん細胞すべてを殺す目的で化学療法や放射線療法を手術後に行う場合があります。再発のリスクを下げる目的で手術のあとに行う治療法を「アジュバント療法」といいます。
放射線療法
放射線療法は高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すか成長させないでおくがん治療のことです。放射線療法には2つの種類があります。外照射は体の外側から機械を用いてがんに放射線を照射する治療法です。腔内照射は放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに直接留置して、がんに放射線を照射する治療法です。

定位放射線治療は付近の健常組織への損傷をより少なくするため固定用頭部フレームを頭蓋に装着し、腫瘍に直接高線量の放射線を照射する放射線療法です。これはまた定位放射線手術、放射線手術とも呼ばれます。この手法は手術には含まれません。

放射線療法の方法は治療されているがんの種類によって異なります。
薬物療法
機能性下垂体腫瘍が過剰にホルモンをつくることを止めるために薬剤が投与されることがあります。
化学療法
症状を緩和し、患者の生活の質を改善するために、下垂体がんに対する緩和療法として化学療法が用いられることがあります。化学療法ではがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるために薬剤を用います。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する化学療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に到達することができます(全身化学療法)。脳脊髄液、臓器、腹腔などの体腔に薬剤を直接注入する化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します(局所化学療法)。化学療法の方法は治療されているがんの種類によって異なります。

新しいタイプの治療法は現在、臨床試験で検証中です。

臨床試験についての情報はNCI Web siteにアクセスすれば、入手できます。

臨床試験に参加したいと考える患者がいるかもしれません。

何人かの患者において、臨床試験に参加することは最良の治療選択であるかもしれません。臨床試験はがんの研究過程の1つです。臨床試験は新たな治療法が標準的な治療法より安全で有効であるかを見つけ出すために行います。

がんに対する今日の標準的な治療法の多くは早期の臨床試験を基本にしています。臨床試験に参加する患者さんは標準的な治療を受けるか、初めて新しい治療を受けることになるかもしれません。

臨床試験に参加する患者は未来のがん治療法の改良を助けます。新しい治療法の臨床試験が有効性を示さなくても、しばしば重要な疑問の答えとなり、研究が前進するのを助けます。

患者はがんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に臨床試験に参加することができます。

いくつかの臨床試験はまだ治療を受けていない患者を対象としています。他の試験はがんが回復していない患者に対する治療を評価します。がんが再発する(再起する)のを止めるか、がん治療の副作用を軽減する新しい方法を評価する臨床試験もあります。

臨床試験はアメリカ国内のいろいろなところで実施されています。治療法の項で、現在の治療法の臨床試験へのリンクを参照してください。それらはNCIの臨床試験データベースから取り出されます。

フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

がんを診断するために行われた、あるいはがんの病期をみつけるために行われた検査が繰り返されるかもしれません。いくつかの検査は治療がどれぐらいよく効いているかをみるために行われるでしょう。治療を続ける、変更するか止めるかどうかの判断がこれらの検査結果を基に行われるかもしれません。これらはときどき再病期診断と呼ばれます。

いくつかの検査は治療が終わった後に時々継続して行われるでしょう。これらの検査結果は状態が変化したかどうか、またはがんが再発(再起)したかを示すことができます。これらの検査は時々、フォローアップ検査、または定期検査と呼ばれます。

ページトップへ

病期別治療法


現在行われている臨床試験の検索結果へのリンクは各治療の項目に記載されています。いくつかのがんの種類や病期については、試験がリストされていないことがあります。リストされていなくても、実施されていると思われる臨床試験については主治医に相談してください。

非機能性下垂体腫瘍

次のような治療法があります:
  • 腫瘍を摘出するための手術療法(可能であれば、経蝶形骨洞手術)とその後に待機療法(症状に変化が現れるまで、治療を行わずに患者さんの状態を慎重に観察する)を行う。腫瘍が再発した場合は放射線療法が行われる。
  • 放射線療法のみ。
    黄体ホルモン産生、卵胞刺激ホルモン産生腫瘍に対する治療法は通常、腫瘍を摘出するための経蝶形洞手術が行われます。

プロラクチン産生下垂体腫瘍

次のような治療法があります:
  • 腫瘍からのプロラクチン産生を停止し、腫瘍の増殖を抑えるための薬物療法
  • 腫瘍が薬物療法に奏効しない場合や患者に薬物を投与できない場合、腫瘍を摘出するための手術療法(経蝶形洞手術または開頭術)
  • 放射線療法
  • 手術療法後の放射線療法

ACTH産生下垂体腫瘍

次のような治療法があります:
  • 放射線療法併用・非併用下で腫瘍を摘出するための手術療法(通常、経蝶形洞手術または内視鏡的経蝶形洞手術)
  • 腫瘍からの成長ホルモン産生を停止させるための薬物療法

甲状腺刺激ホルモン産生腫瘍

次のような治療法があります:
  • 放射線療法併用・非併用下で腫瘍を摘出するための手術療法(通常、経蝶形洞手術)
  • 腫瘍からのホルモン産生を停止させるための薬物療法

下垂体がん

下垂体がんでは症状を緩和し、患者のQOLを改善するために緩和療法が行われます。

次のような治療法があります:
  • 放射線療法併用・非併用下で腫瘍を摘出するための手術療法(経蝶形洞手術または開頭術)
  • 腫瘍からのホルモン産生を停止させるための薬物療法
  • 化学療法

再発下垂体腫瘍

次のような治療法があります:
  • 放射線療法
  • 定位放射線療法の臨床試験
現在、米国で下垂体腫瘍 の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。
(2011年08月更新)

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ