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セミナーレポート 2017

平成29年度 第4回IMICセミナー

2018/3/9

平成29年度第4回IMICセミナー

医学統計講座

~臨床試験のための医学統計学入門Ⅲ~

今年度の第4回目のIMICセミナーは、2018年3月9日(金)に開催されました。今回は、機関誌『あいみっく』に「医学統計学シリーズ」を連載されている森實敏夫先生に、「医学統計講座 ~臨床試験のための医学統計学入門Ⅲ~」というテーマでご講演頂きました。

講義では、統計学の基本的な考え方を身につけるとともに、統計解析ソフトを使えるようになることが目的として設定されました。参加者の方には一人一台のノートPCが用意され、統計解析ソフトウェア「R」とBUGSソフトウェア「OpenBUGS」を使って実践的な問題に取り組みました。

 

■臨床試験における仮説とデータ

最初に、統計学的仮設と観察された値である「データ」との関係、及び「帰無仮説有意差検定」と「ベイズ推定」という2つの統計学的アプローチについてご説明頂きました。その上で「等性」「非劣性」「優位性」「同等性」という、試験薬の有効性を検証する際に用いられる仮説の種類を挙げて頂き、それらの仮説に用いられる差の検出の目的が、研究デザインによってどのように変わっていくのかを示して頂きました。

ランダム化比較試験を例にとった解説では、ランダム割り付けが理想的に行われる条件についてご説明頂き、操作変数によるランダム割り付け、介入群、交絡因子、アウトカムが、お互いにどのような関係を持っているのかを示して頂きました。しかし、ここで示された関係はあくまでも「理想的な条件」のもとで成り立つものであり、実際には選択バイアスや実行バイアス、検出バイアスが発生し、サンプリングエラーが不可避となります。これらのことを踏まえた上で演習として、正規分布からのランダムサンプルの平均値の分布のシミュレート、研究におけるリスク比の計算を「R」を用いて行いました。

 

■生存分析

生存分析をする上で用いられるKaplan-Meier法について、ご説明頂きました。臨床試験ではエントリー時期がそろっていなかったり、様々な理由で打ち切りとなる脱落例が発生するため、対象となる期間を通して全患者の状態を追跡し続けた上で生存率を算出することは、極めて困難となります。そのためイベントが発生するまでの時間を解析するKaplan-Meier法を用いて、一定のルールに従い生存率が推計されることを説明して頂きました。

演習では「R」を用いて、実際にKaplan-Meier法を用いた生存分析や、ログランク検定を利用した2郡の生存比較、コックス比例ハザード解析を行いました。

 

■回帰分析

最初に回帰分析の意義を理解するために、相関という概念を説明して頂き、相関が認められる二つのデータXとYについて、最小二乗法を用いて直線回帰が求められる例を示して頂きました。その後、N個の説明変数Xiを用いて、従属変数Yの値を予測するために使われる重回帰分析を説明して頂き、多変量の回帰モデルを示して頂きました。このモデルには、説明変数Xの係数がそれぞれの変数に対して調整された値となるため、Xが独立した因子かどうかを推定できるという特徴があります。

「R」を用いた演習では、実際に重回帰分析を行うほか、直線回帰混合効果モデルを用いた解析や、ロジスティック回帰分析を行いました。

 

■Open BUGSによるベイズ推定

ある事象xが起こるという条件のもとで別の事象yが起こる確率を条件付き確率といいます。ベイズの定理は、この条件付き確率のもとで成り立ちます。講演では、ベイズの定理を理解するとともに、MCMCシミュレーションを直感的に理解するために、メトロポリス・ヘイスティングス・アルゴリズムやギブス・サンプラーについて説明して頂きました。

BUGSは、MCMCの手法を用いてベイズ統計解析を行うことのできるソフトウェアの総称であり、現在はソースコードが公開され、Open BUGSとして利用されています。講演ではBUGSコードを示して頂き、事前分布と実際に測定されたデータから事後分布を求めたり、メタアナリシスを行うなど、実際にBUGSのコードを記述してOpen BUGSを使用するという演習が行われました。

今回の講演はご参加頂だいた一人一人にPCが用意され、「R」やOpen BUGSを実際に動かして問題を解く、実践的な内容でした。講演後のアンケートでは、演習だけではなく、統計学の概要についても知ることができたという意見を頂くなど、多くの方から好評を頂きました。

IMICでは来年度も様々なセミナーを企画、実施して参ります。来年も引き続き、賛助会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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