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2017/8/2
平成29年度 第2回IMICセミナー
「PubMedベーシック講座」
レベルアップを目指した基礎習得と検索実践
~業務に活用できるスキルを学ぶ~
今年度2回目のIMICセミナーは2017年8月2日に開催され、東京慈恵会医科大学学術情報センターの阿部信一先生に「PubMedベーシック講座」というテーマで話をして頂きました。
セミナー参加者には一人一台のPCが用意され、様々な課題を実際にPubMedを使用して解決していくという実践的な取り組みが行われました。また、講座では効率的な検索環境を整えるためのMy NCBIの設定方法について詳しい話を伺うなど、検索方法だけでなく検索環境のカスタマイズについても話をして頂きました。全体を通して実践的な内容が多く、質疑応答でも活発に発言が交わされるなど、第2回セミナーは多くの方から好評を頂きました。
■1.PubMedの基本
昨年45周年を迎えたPubMedの来歴や収録文献について、具体的なデータを提示ながら説明して頂きました。PubMedには現在、80ヶ国、約5,600誌から2,700万件以上の文献データが収録されており、昨年1年間には869,666件の新しいデータが追加されました。この膨大なデータの中から効率的に必要な文献を見つけるためには、PubMedを使いこなせるようになることが必要だと先生は話されました。
■2.検索演習
実際にPubMedにアクセスし、様々な練習問題に取り組みました。
最初に取り組んだフリーワードを使用した検索では、表示された検索結果の見方や表示形式の変更方法などを教えて頂きました。次にその基本を踏まえ、「性別」や「年齢」等でフィルターをかけた検索方法を教えて頂き、「高齢者ネフローゼ症候群の診断に腎生検は必要か」というテーマについて「性別」や「高齢者」を実際にフィルター設定して検索を行いました。
その他にもエビデンスに絞り込みで検索する場合を例に挙げ、「Publication Typeでの絞り込み」や「MeSHとの掛合わせ検索」などを説明して頂き、そこで得られた検索結果をAdvanced Searchでさらに組み合わせて検索するなど、様々な検索方法を示して頂きました。
途中、何度か質疑応答の時間を取って頂いたこともあり、参加された方からは多くの質問を頂きました。とくにMeSHについての質問が多く、先生からはMeSHとフリーワードでの検索について、速報性と信頼性など長所と短所を示して頂きながら両者の違いを説明して頂きました。
また、今講座では参加される方々に事前課題が出されており、講座内では参加者が実際に調べた方法を発表して頂き、先生から様々なアドバイスを頂きました。
My NCBIに登録することで、検索演習で学んだフィルターでの絞り込みや検索結果の表示方法などを自分の見やすいように設定するやり方を教えて頂きました。講座では実際にMy NCBIに登録するところから話をして頂き、セミナー時点で未登録であった参加者の方は、希望すれば実際に登録をすることができました。また、検索方法のほかにも自動で検索結果が定期的にメールで届く「e-mail updates」の設定や保存した文献データを共有する方法など、My NCBIならではの設定内容に言及して頂きました。
■4.MeSH2017の変更ポイント
2017年に変更されたサブヘディングとして、「diagnostic imaging (画像診断)」と「Cognitive Dysfunction (認知障害)」を挙げて頂き、2016年版からの変更点を詳しく話して頂きました。
MeSHについては質疑応答で多くの質問が寄せられたこともあり、参加された方々の関心の高さがうかがえました。
医学・薬学分野の必須ツールであるPubMedのセミナーということもあり、たくさんの方にご参加頂きました。膨大な文献を収録するPubMedを効率的に活用するためにはPubMedの使用方法に精通することが必要であると、先生は話されました。ベーシック講座である今セミナーでは、その第一歩として必要かつ十分な知識と技術を身につけることができ、多くの方から好評を頂きました。
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