オピオイドによる特発性食道破裂
2013年2月掲載
薬剤 | オピオイドその他 |
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副作用 | 嘔吐、特発性食道破裂 |
概要 | 61歳、男性。下咽頭癌(T3N1M0,stageIII)に対する化学放射線治療(CRT)の施行中に、CRTによる咽頭痛にオピオイドを使用したところ嘔吐が反復した。夜間に胸痛が出現したが、内視鏡検査で明らかな異常が確認できなかったため、循環器系や呼吸器系疾患を疑ったが、翌日、胃管からの造影剤投与によるCT撮影にて、特発性食道破裂と診断された。発症20時間後に施行された経腹的手術で腹部食道左側に穿孔を確認、一期的閉鎖と大網被覆およびドレーン留置を行ったが、全身状態の低下、膿胸、敗血症で術後23日目に致死的経過をとった。 |
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著者によれば、特発性食道破裂の原因として飲酒後の嘔吐が多くを占めるが、オピオイドによる嘔吐はあまり知られない。オピオイド服用中に胸痛発作が発生したときは本症も念頭に置くべきと認識させられた、としている。
- 著者(発表者)
- 小南裕明ほか
- 所属施設名
- 兵庫県立がんセンター消化器外科
- 表題(演題)
- 下咽頭癌に対する化学放射線治療中に発症したオピオイドによる嘔吐を原因とする突発性食道破裂の1例
- 雑誌名(学会名)
- 日本臨床外科学会雑誌 73(増刊) 809 (2012.10)
第74回 日本臨床外科学会総会 (2012.11.29-12.1)
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