ニボルマブによる微小変化型ネフローゼ症候群
2015年11月掲載
薬剤 | ニボルマブ腫瘍用薬 |
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副作用 | 微小変化型ネフローゼ症候群 |
概要 | 71歳、女性。再発性悪性黒色腫に対してニボルマブでの治療を開始した。初回投与後より徐々に顔面と下腿の浮腫、尿の泡立ちを自覚した。血清Alb2.2mg/dL、尿蛋白4+、Cr14.4g/gとネフローゼ症候群を呈しており、当科入院となった。腎生検の結果、微小変化型ネフローゼ症候群であり、ニボルマブによる薬剤性ネフローゼが疑われた。m-PSLのハーフパルス療法3日間、後療法としてPSL30mg/日を投与した。ニボルマブは著効を示しており、併用、継続とした。ステロイド投与開始後10日目に尿蛋白は陰性化し、完全寛解に至った。 |
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抗PD-1抗体であるニボルマブ(オプジーボ®)は、T細胞活性化作用により抗腫瘍効果を発揮する薬剤であり、悪性黒色腫に対する新たな治療薬として注目されている。本症例では、再発性悪性黒色腫に対してニボルマブを投与したところ、顔面や下腿の浮腫などを認め、微小変化型ネフローゼ症候群と診断されている。ニボルマブは悪性黒色腫に対して従来の化学療法よりも高い奏効率が得られており、今後も投与する機会が増えることが予想される。ニボルマブの投与中に腎障害を認める場合には、本合併症を念頭に置く必要がある。
- 著者(発表者)
- 柴崎智子ほか
- 所属施設名
- 横浜市立大学附属病院腎臓・高血圧内科ほか
- 表題(演題)
- ニボルマブ投与後に微小変化型ネフローゼ症候群を発症した悪性黒色腫の1例
- 雑誌名(学会名)
- 日本腎臓学会誌 57(6) 1125 (2015.8)
第45回 日本腎臓学会西部学術大会 (2015.10.23-24)
監修者コメント