抗結核薬による重篤なアレルギー
2013年1月掲載
薬剤 | イソニアジド化学療法剤 ピラジナミド化学療法剤 エタンブトール化学療法剤 リファンピシン抗生物質製剤 |
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副作用 | 重篤アレルギー(アナフィラキシーショック) |
概要 | 69歳、男性。右S2およびS6に空洞性結節が出現し、肺結核を疑い診断的治療としてINH、RFP、PZAを開始(後日、結核菌を検出)、投与13日後に食欲低下のため抗結核薬を自己中断した。その1週後に3薬剤にEBを加えて治療を再開したところ、気分不良、倦怠感、頭痛、嘔気、嘔吐が出現、救急車で当院に搬送された。全身の発赤、浮腫、発熱、悪寒、振戦を認め、服薬10時間後にはショック状態になった。昇圧剤、ステロイド、補液を開始したところ症状は改善した。パッチテストではRFPを含む4剤とも陰性であったが、DLSTではINH、PZA、EBが陽性であった。 |
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RFP、EBの使用上の注意、副作用の項にショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがある旨の注意が喚起されている。RFPは、特に間歇投与時、または投与を一時中止し再投与する場合に起こりやすいので注意を要するとされている。
- 著者(発表者)
- 長神康雄ほか
- 所属施設名
- 産業医科大学医学部呼吸器内科学
- 表題(演題)
- 抗結核薬投与で重篤なアレルギー反応をきたした1例
- 雑誌名(学会名)
- 第69回 日本呼吸器学会・日本結核病学会九州支部秋季学術講演会 プログラム・講演抄録 180 (2012)
第69回 日本呼吸器学会九州支部秋季学術講演会 (2012.11.16-17)
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