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ジアゾキシドによる汎血球減少

2015年8月掲載

薬剤 ジアゾキシドその他の代謝性医薬品
副作用 汎血球減少
概要 80歳、女性。健診で低血糖を指摘され、血糖34mg/dL、IRI7.5µU/mLであり、精査目的で入院した。絶食試験で16時間目に血糖45mg/dL、IRI4.5µU/mLであり、インスリノーマと診断した。また、腹部造影CTで膵尾部に10mm大の結節を認めた。術前の内科的加療としてジアゾキシドを開始し、低血糖は消失したが、10日目に汎血球減少を来したため、ジアゾキシドを中止した。その後、インスリノーマに対して、膵尾部腫瘍核出術を施行し、低血糖は改善した。

監修者コメント

ジアゾキシドはインスリンの分泌を抑制することで、血糖値を適正に上昇させる薬剤である。本報告では、膵尾部のインスリノーマによる低血糖に対してジアゾキシドを投与したところ、低血糖は消失したが汎血球減少をきたした一例を紹介している。ジアゾキシドによる血小板減少症は報告されているが、汎血球減少症は稀である。ジアゾキシドの投与中は、定期的に血液検査を行うなどして注意する必要がある。

著者(発表者)
小野泰平ほか
所属施設名
北里大学内分泌代謝内科
表題(演題)
ジアゾキサイドで汎血球減少をきたしたインスリノーマの1例
雑誌名(学会名)
第615回 日本内科学会関東地方会 20 (2015)
第615回 日本内科学会関東地方会 (2015.6.13)

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