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ピオグリタゾンによる間質性肺炎

2015年4月掲載

薬剤 ピオグリタゾンその他の代謝性医薬品
副作用 間質性肺炎
概要 85歳、女性。2型糖尿病に対して2ヵ月前からピオグリタゾン(PIO)の内服を開始した。1ヵ月前から乾性咳嗽、1週間前から食欲低下が出現し、当院内科外来を受診した。低酸素血症を認め、胸部X線で両側肺底部を中心に粒状影、網状陰影、CTで峰巣肺やスリガラス陰影を認めた。血清KL-6が2370U/mLと高値であり、PIOのリンパ球刺激試験が陽性であったため、PIOによる間質性肺炎と診断した。PIOを中止し、ステロイド治療により軽快した。

監修者コメント

インスリン抵抗性改善薬であるピオグリタゾン(アクトス®)は2型糖尿病の治療薬として広く使用されている。重大な副作用として、浮腫や心不全の増悪・発症などが報告されているが、本症例のような薬剤性間質性肺炎は稀である。ピオグリタゾンの内服中に乾性咳嗽などの症状が認められた場合は、間質性肺炎の可能性も念頭におき、慎重に経過を観察する必要がある。

著者(発表者)
五十野桃子ほか
所属施設名
筑波大学付属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院内分泌代謝糖尿病内科ほか
表題(演題)
ピオグリタゾンによる薬剤性間質性肺炎を来した2型糖尿病の1例
雑誌名(学会名)
第52回 日本糖尿病学会関東甲信越地方会プログラム・抄録集 78(2015)
第52回 日本糖尿病学会関東甲信越地方会 (2015.1.24)

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