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イマチニブによる尿路上皮乳頭腫

2015年3月掲載

薬剤 イマチニブ腫瘍用薬
副作用 尿路上皮乳頭腫
概要 69歳、男性。慢性骨髄性白血病に対して、イマチニブ内服により寛解状態を維持していた。肉眼的血尿の主訴にて当科紹介受診。尿細胞診はclassⅢ。膀胱鏡にて右尿管口奥に、5mm大の有茎性乳頭状腫瘍を確認。経尿道的膀胱腫瘍切除術施行。病理診断は線維上皮性ポリープであり、悪性所見を認めなかった。

監修者コメント

イマチニブ(グリベック®)は、フィラデルフィア染色体の遺伝子産物Bcr-Ablを標的とした分子標的治療薬であり、慢性骨髄性白血病などの治療薬として用いられている。本症例では、イマチニブの長期服用中に膀胱内の線維上皮性ポリープを認めた。イマチニブは比較的副作用が少ないとされているが、ラットを対象とした動物実験では尿路上皮乳頭腫の発生を認めており、本症例もイマチニブによる副作用が疑われた。イマチニブ長期内服時には尿路上皮乳頭腫の発生に注意する必要がある。

著者(発表者)
神田敏博ほか
所属施設名
埼玉県立がんセンター
表題(演題)
イマチニブ(グリベック)内服中、膀胱に発生した尿路上皮乳頭腫の一例
雑誌名(学会名)
第68回 日本泌尿器科学会埼玉地方会抄録 12-13 (2014)
第67回 日本泌尿器科学会埼玉地方会 (2014.11.8)

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