ゼラチンによるアナフィラキシーショック
2015年2月掲載
薬剤 | ゼラチン一般用医薬品 |
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副作用 | アナフィラキシーショック |
概要 | 20歳、女性。感冒のためジェルカプセルの市販感冒薬(ストナアイビージェル)の内服を開始した。開始後5日目、ヨーグルト摂取後に同薬を内服したところ、5分後より頸部に熱感や瘙痒を自覚した。次第に全身の潮紅、腹痛、呼吸苦が出現し意識消失を認めたため、前医に緊急搬送された。アナフィラキシーショックの疑いで当科に紹介受診となった。血液検査でImmunoCAPではゼラチンがClass4、牛乳は陰性であった。プリックテストでは牛乳は陰性、感冒薬陽性となった。感冒薬の全成分のプリックテストではゼラチンのみ陽性であり、感冒薬のカプセル成分であるゼラチンによるアナフィラキシーショックと診断した。魚や肉は制限しないが、加工ゼラチンを添加した食品や薬剤は避けるように指導し、1年半経過するも再発は認められていない。 |
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市販感冒薬のカプセル成分であるゼラチンによりアナフィラキシーショックをきたした一例である。ゼラチンアレルギーは、乳児期のゼラチン含有DPTワクチン接種による副反応として以前報告されていたが、ゼラチンフリー化が進み、ゼラチンアレルギーの報告は著減した。しかし、近年、ワクチン以外の薬剤に添加されるゼラチンによるアレルギーが報告されている。薬局で簡単に入手できる市販感冒薬においても、ゼラチンアレルギーが発症する可能性があることを認識する必要がある。
- 著者(発表者)
- 田中理子ほか
- 所属施設名
- 横浜市立大学皮膚科学教室ほか
- 表題(演題)
- ジェルカプセル感冒薬内服で発症した、ゼラチンによるアナフィラキシーショックの1例
- 雑誌名(学会名)
- アレルギー 63(9) 1258-1264 (2014.11)
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