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ベニジピンによる乾癬型薬疹

2013年1月掲載

薬剤 ベニジピン循環器官用剤
副作用 乾癬型薬疹
概要 72歳、男性。高血圧症に対し10年以上前からCa拮抗薬(塩酸ベニジピン、コニール®)、ARB(テルミサルタン、ミカルディス®)を服用、約半年前から両足底、両手掌に角化を認め、近医皮膚科で外用治療を受けるも徐々に悪化。皮疹の性状、病理組織学的所見からコニール®による乾癬型薬疹と考え、同薬剤を中止し、外用剤で治療を行ったところ紅斑が徐々に薄くなり、約6ヵ月後で角化も消褪傾向となった。降圧薬で乾癬が増悪または発病することが知られているが、塩酸ベニジピンにより掌蹠に典型的ではない乾癬様皮疹が出現し、内服中止により改善した症例を報告した。Ca拮抗薬による乾癬型薬疹の報告例17例と自験例について、原因薬剤名、診断、病理学的所見などを検討し、併せて報告した。

監修者コメント

降圧薬によって乾癬が増悪または発病することが知られており、Ca拮抗薬によるものが多いとされている。本報は、Ca拮抗薬である塩酸ベニジピンにより出現した乾癬様皮疹の報告であるが、非典型的な病像をとったためその診断に注意を要するとしている。

著者(発表者)
吉澤秀華ほか
所属施設名
山形市立病院済生館 皮膚科
表題(演題)
掌蹠の皮膚病 〈臨床例〉―8 乾癬型薬疹
雑誌名(学会名)
皮膚病診療 34(5) 461-464 (2012.5)

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