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オメプラゾールによるビタミンB12欠乏性認知症

2012年12月掲載

薬剤 オメプラゾール消化器官用薬
副作用 ビタミンB12欠乏性認知症
概要 79歳、女性。食道静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤硬化療法施行後に、オメプラゾール20mg/日が開始された。約2年後、健忘症が発現、HDS-Rで13点、両側大脳皮質に多発性脳梗塞がみられ、ビタミンB12の低値(80pg/mL)が確認された。シアノコバラミン1mg/日の投与で2ヵ月後に血清VB12は625pg/mLに、HDS-Rは21点に改善した。プロトンポンプ阻害薬によるVB12欠乏性認知症が脳血管性認知症に併発したと考えられた。

監修者コメント

著者の考案によれば、プロトンポンプ阻害薬が胃酸分泌を高度に抑制するため、食物タンパクからのVB12の分離を抑制しVB12の吸収が阻害される。プロトンポンプ阻害薬によるVB12欠乏性認知症の報告である。

著者(発表者)
山崎有人ほか
所属施設名
東京都立駒込病院内科ほか
表題(演題)
オメプラゾールによるビタミンB12欠乏性認知症
雑誌名(学会名)
第591回 日本内科学会関東地方会 27 (2012)
第591回 日本内科学会関東地方会 (2012.10.13)

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