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ソラフェニブによる消化管潰瘍

2012年12月掲載

薬剤 ソラフェニブ腫瘍用薬
副作用 消化管潰瘍
概要 60歳代、男性。肝細胞癌にソラフェニブ400mgを投与、貧血、食思不振が出現、投与中止した。その後、上部消化管内視鏡検査で、胃体上部~中部後壁にかけ縦走する潰瘍性病変を認めた。60歳代、男性。肝細胞癌にソラフェニブ400mg投与開始、開始82日後に血便出現、大腸内視鏡検査でS状結腸に縦走する潰瘍性病変を認めた。いずれも潰瘍性病変は腸管軸に沿って縦走しており、その形態から腸管の虚血の関与が疑われた。

監修者コメント

分子標的薬ソラフェニブはVEGFなど複数のキナーゼ阻害作用を持ち、副作用として手足口病などが認められるが消化管潰瘍は比較的稀であった。この報告では、微小血栓形成などによる虚血により潰瘍性病変が生じた可能性があり、発表者はソラフェニブ使用中に出現した腹痛、食思不振などの症状に対して消化管粘膜障害を疑う必要があると述べている。

著者(発表者)
齋藤大祐ほか
所属施設名
杏林大3内科ほか
表題(演題)
ソラフェニブ投与開始後に消化管潰瘍を認めた肝細胞癌の2例
雑誌名(学会名)
Gastroenterological Endoscopy 54(臨増2) 2986 (2012.9)
第84回 日本消化器内視鏡学会総会、第20回 日本消化器関連学会週間(JDDW) (2012.10.10-13)

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