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PTP包装誤飲による汎発性腹膜炎

2012年11月掲載

薬剤 PTP包装その他
副作用 小腸穿孔/汎発性腹膜炎
概要 83歳、男性、認知機能低下によりドネペジル塩酸塩処方、その後レビー小体型認知症、アルツハイマー病が疑われL-DOPA内服開始、フォローされていた。腹痛を主訴に近医受診、急性胃腸炎と診断、胃腸薬処方されるも改善しないため当院受診を勧められタクシーで移動中意識消失、当院到着時は心肺停止状態であった。CPR開始、気管挿管、ICU入室、心拍再開後も血圧維持困難、同日夜死亡した。病理解剖で汎発性腹膜炎の所見あり、小腸内容物にPTP包装のままのL-DOPA錠剤と小腸穿孔を認めた。PTP包装誤飲による小腸穿孔から汎発性腹膜炎をきたし、敗血症性ショックに至り死亡したと考えられた。

監修者コメント

PTP包装の誤飲については、日本製薬団体連合会加盟団体の自主申合せにより、1996年3月以降、PTP 包装のミシン目やスリットの改善、PTPシート裏面の表示ならびに添付文書での注意喚起がなされているが、事故の報告は後を絶たない。
この学会報告はPTP包装の誤飲により小腸穿孔から汎発性腹膜炎をきたし、死に至った認知症の1例である。

著者(発表者)
橋詰剛ほか
所属施設名
東京都健康長寿医療センター循環器内科ほか
表題(演題)
PTP包装誤飲による小腸穿孔から汎発性腹膜炎を来し死亡した認知症の1例
雑誌名(学会名)
第590回 日本内科学会関東地方会 50 (2012)
第590回 日本内科学会関東地方会 (2012.9.8)

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