クロタミトン(ダマリンL®)による接触皮膚炎症候群
2014年9月掲載
薬剤 | クロタミトン一般用医薬品 ダマリンL一般用医薬品 |
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副作用 | 接触皮膚炎症候群 |
概要 | 48歳、男性。両足趾間の落屑性変化に対し、ダマリンL®クリームを2ヵ月間外用したところ、両足全体、手掌に瘙痒性の落屑性紅斑、水疱が出現した。同剤を中止し、ステロイド含有軟膏を外用したが、体幹部にも皮疹が拡大した。パッチテストではダマリンL®クリームの48、72時間、1週間判定で3+と陽性であり、成分パッチテストではクロタミトンにおいてのみ48、72時間後判定ともに2+と陽性であった。ダマリンL®クリーム中のクロタミトンによる接触皮膚炎症候群と診断した。プレドニゾロンと塩酸フェキソフェナジンの内服と体幹、四肢の皮疹にはベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏、顔面の皮疹にはヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏を外用したところ、皮疹は1週間程度で速やかに消褪した。 |
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ダマリンL®クリームは水虫のOTC薬として広く使用されている。本症例ではダマリンL®クリームを両足全体に約2ヶ月間外用したところ、頸部、体幹、四肢に瘙痒性皮疹を認め、接触皮膚炎症候群と診断された。接触皮膚炎症候群は、接触感作の成立後、同一の抗原が繰り返し経皮的に接触することで、強い瘙痒を伴う皮疹病変が接触範囲を超えて全身性に出現するものである。本症例では成分パッチテストの結果からダマリンL®クリーム中のクロタミトンが原因と考えられた。鎮痒、鎮痛、消炎などの効果を有するクロタミトンはさまざまな外用剤に含有されているため、注意が必要である。
- 著者(発表者)
- 田中康之ほか
- 所属施設名
- 大阪市立大学大学院医学研究科皮膚病態学
- 表題(演題)
- ダマリンL®クリーム中のクロタミトンによる接触皮膚炎症候群の1例
- 雑誌名(学会名)
- 皮膚科の臨床 56(6) 873-876 (2014.6)
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