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ミルタザピンによるアカシジア

2014年8月掲載

薬剤 ミルタザピン中枢神経用薬
副作用 アカシジア
概要 20歳代、女性。ホジキンリンパ腫にて自家末梢血幹細胞移植後、薬物療法に抵抗性の頭痛、抗癌剤療法と関連しない食欲不振を認め、当科受診。抑うつ気分、意欲低下、不眠、自殺念慮を認め、抑うつ状態と診断し、ミルタザピンによる抗うつ剤治療を行った。およそ4週間後、症状は軽快、外泊も可能となった。7週間後、全身のむずむず感(下肢に強い)、不安、落ち着かず、時に泣き出すといった症状が出現した。アカシジアと診断し、使用薬剤を見直したところ、可能性のあるのはミルタザピンのみであった。ミルタザピンを減量したところ、翌日より症状改善、1週間後に中止すると、症状は完全に消失した。

監修者コメント

本症例はホジキンリンパ腫にて治療中の20代女性であるが、抑うつ状態と診断され、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬であるミルタザピン(リフレックス®)による治療が行われた。投与開始後、全身のむずむず感や不安など、全身性の症状および急速な経過で興奮性の症状などを認めたことから、アカシジアと診断された。アカシジアは「じっとしていられない」などの内的不穏と、客観的には歩き回るなどの行動として現れる錐体外路症状の一つである。ミルタザピン使用時はアカシジアの出現も想定しておく必要がある。

著者(発表者)
阿部泰之ほか
所属施設名
旭川医科大学病院緩和ケア診療部
表題(演題)
ミルタザピンによるアカシジアの一例
雑誌名(学会名)
第19回 日本緩和医療学会学術大会 プログラム・抄録集 349 (2014)
第19回 日本緩和医療学会学術大会 (2014.6.19-21)

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