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ピコスルファートによる虚血性大腸炎

2014年8月掲載

薬剤 ピコスルファート消化器官用薬
副作用 虚血性大腸炎
概要 50歳代、女性。健康診断で便潜血反応陽性であったため、精査目的で下部消化管内視鏡検査を予定した。検査前日21時に前処置としてピコスルファートを10mL内服したところ、約6時間後に嘔吐、血便、強い下腹部痛が出現した。下部消化器内視鏡検査でS状結腸は浮腫状で縦走するびらんを認め、易出血性であった。虚血性大腸炎と診断し、緊急入院した。保存的治療で症状は軽快し、第5病日に退院となった。約6週間後に前処置にピコスルファートを使用せずに再検を行い、内視鏡所見で軽快を確認した。

監修者コメント

本症例では、下部消化管内視鏡検査の前処置としてピコスルファートを内服したところ、S状結腸の腸管浮腫、縦走びらん、易出血性などを認め、虚血性大腸炎と診断された。ピコスルファートによる虚血性大腸炎は比較的稀であるが、検査の前処置による有害事象となることから、事前のインフォームドコンセントをしっかりと行う必要がある。

著者(発表者)
松岡愛菜ほか
所属施設名
東京都立墨東病院内科ほか
表題(演題)
大腸内視鏡検査前処置時のpicosulfate内服が誘因と考えられた虚血性大腸炎の一例
雑誌名(学会名)
Progress of Digestive Endoscopy 85(S) s124 (2014)
第98回 日本消化器内視鏡学会関東地方会 (2014.6.14-15)

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