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リファブチンによるぶどう膜炎

2014年7月掲載

薬剤 リファブチン抗生物質製剤
副作用 ぶどう膜炎
概要 82歳、女性。非結核性抗酸菌症に対してクラリスロマイシン、エタンブトール、リファンピシンにて内服治療を開始していたが、副作用によりリファブチンとクラリスロマイシンの内服に変更した。変更2ヵ月後に両眼性に前房蓄膿を伴うぶどう膜炎を発症した。リファブチンの副作用の可能性も考えられ、翌日からリファブチンの内服を中止した。両眼にデキサメタゾン結膜下注射等を施行し、経時的に改善を認め、1ヵ月後には炎症所見は消失し、その後再発は認めていない。

監修者コメント

リファブチン(ミコブティン®)は日本では承認されてから数年しか経っていないが、結核症や非結核性抗酸菌症などの治療薬として用いられており、また最近ではピロリ菌の三次除菌不成功例に対する四次除菌治療薬の候補として注目されている。本症例では非結核性抗酸菌症に対してリファブチンとクラリスロマイシンを併用投与したところ、右目の違和感と視力低下を自覚するようになり、ぶどう膜炎と診断された。リファブチンをクラリスロマイシンと併用した場合、リファブチンの血中濃度が上昇し、薬剤性ぶどう膜炎の発症頻度が高くなることが報告されている。今後はリファブチンの使用頻度の増加とともに薬剤性ぶどう膜炎も増加することが予想される。リファブチン投与中に薬剤性ぶどう膜炎を発症した場合は、内服薬の中止と副腎皮質ステロイド薬の局所投与が必要である。

著者(発表者)
岡部智子ほか
所属施設名
東邦大学医療センター大森病院眼科
表題(演題)
リファブチンによるぶどう膜炎の1例
雑誌名(学会名)
あたらしい眼科 31(4) 599-603 (2014.4)
第47回 日本眼炎症学会

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