メサラジンによる多発血管炎性肉芽腫症
2014年4月掲載
薬剤 | メサラジン消化器官用薬 |
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副作用 | 多発血管炎性肉芽腫症 |
概要 | 22歳、男性。潰瘍性大腸炎の診断の下、メサラジンの投与を受けた。1ヵ月後より乾性咳嗽が出現した。CTにて両側の多発性結節影、空洞病変を認め、PR3‐ANCA陽性であり、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)と診断した。プレドニゾロン、シクロフォスファミドの投与、顆粒球吸着除去療法、白血球除去療法を施行し、メサラジンは中止した。この治療により咳嗽、胸部異常影は消失し、PR3‐ANCAは陰性化した。プレドニゾロンを漸減した際の大腸内視鏡検査で粘膜の易出血性があり、潰瘍性大腸炎の悪化を懸念し、メサラジンを再開した。その5日後に胸部異常陰影を伴い咳嗽が出現し、PR3‐ANCA値が再上昇した。メサラジンを中止し、プレドニゾロンを増量したところ咳嗽は改善した。 |
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メサラジン(アサコール®)は潰瘍性大腸炎(UC)の治療薬として広く使用されている。本症例では、メサラジン投与中に乾性咳嗽を認め、CT所見やPR3-ANCA陽性などから多発血管炎性肉芽腫症の合併と診断された。UCの悪化を懸念してメサラジン投与再開後に呼吸器症状が再燃し、PR3‐ANCA値が再上昇したことからも、本合併症がメサラジンにより惹起されたことが疑われる。メサラジン投与によるANCA関連血管炎の報告は稀であるが、本薬剤をUCの患者に投与する場合は本合併症も念頭に置く必要がある。
- 著者(発表者)
- 近藤文彬ほか
- 所属施設名
- 東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科
- 表題(演題)
- メサラジン投与中に発症したANCA関連血管炎(AAV)の一例
- 雑誌名(学会名)
- 第24回 日本リウマチ学会関東支部学術集会 プログラム・抄録集 56 (2013)
第24回 日本リウマチ学会関東支部学術集会 (2013.12.7)
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