バンコマイシンによる薬疹
2014年4月掲載
薬剤 | バンコマイシン抗生物質製剤 |
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副作用 | 薬疹 |
概要 | 74歳、女性。右大腿骨頸部骨折に対し、人工骨頭置換術を行った。その後、骨頭感染が疑われ、骨頭の中心性脱臼が進行したため、二期的再置換術を実施した。人工骨頭を抜去し、バンコマイシン(VCM)添加セメントスペーサーを留置。術後抗菌薬にもVCMを使用した。術後、38℃の発熱が持続し、右股関節部に出現した皮疹が全身に拡大した。抗菌薬投与を中止し、ステロイド投与を開始し、2ヵ月の経過で緩徐に消退した。VCMはDLST陽性、皮内反応で強陽性を示した。再置換術を行い、抗菌薬はミノサイクリンを使用し、アレルギー反応なく経過した。 |
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人工関節の術後感染には抗生剤含有セメントを使用することにより、良好な成績が報告されている。本症例では、人工関節感染に対して体内に挿入したセメントスペーサーに添加したバンコマイシンによって薬疹を生じており、非常に稀な一例といえる。薬疹の治療の基本は抗菌薬の中断であるが、体内に埋没したスペーサーに添加したものは抜去する以外に中断できないため、埋没する抗菌薬の選択には十分な注意が必要である。
- 著者(発表者)
- 中山修一ほか
- 所属施設名
- 東京逓信病院整形外科
- 表題(演題)
- 人工骨頭感染に対して使用したセメントスペーサーに添加したバンコマイシンにより薬疹を発症した一例
- 雑誌名(学会名)
- 第44回 日本人工関節学会 430 (2014)
第44回 日本人工関節学会 (2014.2.21-22)
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